企業・従業員・自治体・健保組合で取り組む健康経営 コミュニティ 健康経営.com

文字サイズ

標準

拡大

健康経営.com

bookinアイコン Twitterアイコン faceアイコン

企業・従業員・自治体・健保組合で取り組む 健康経営 コミュニティ

  • HOME >
  • メルマガ関連

メルマガ関連

串カツ物語

POSTED : 2015.6.16

□■□■□■□■□■健康経営連載小説「串カツ物語」□■□■□■□■□■

——– 健康経営連載小説 第1話 ——–

久司勝(まさる) 72歳。

大阪にある小さな私鉄の駅から10分程あるいた住宅街の路地で、
「串美」を経営している。

振り返れば「串美」をオープンしてから間もなく40年。
周りの景色はすっかり変わってしまったが、なんとか店は、昔のまま続けてこれた。

勝が約40年間守り続けてきたたった2つのこと。
それは 1)団体お断り 2)下ネタお断り である。

串美にはカウンターしかない。
串美では、客は一人でぶらっと入ってきて、同じくぶらっと入ってきた人たちと、
駄弁って帰っていく。
特に顔見知りである必要はない。袖振り合うも他生の縁。
たまたまカウンターで隣の席になったのも、大切な縁だ。
必要なのは、酒と、串と、「二度づけ御免」のたれだけである。

そもそもここは住宅街。 旅行者などだれもこない。
ただ、たまに転勤者など、関西人ではない客もくる。

関西人は話を盛るのがうまい。
そんなとき、 勝は、いつも、常連達同士の会話に、
「盛りすぎや」とさりげなく突っ込みを入れて、
その人がスムーズに会話に入り込めるタイミングを作る。

転勤者は、最初は常連達の個性に圧倒されていても、 すぐにみな、うちとける。

団体お断りは、客同士で壁をつくらずにちゃんと会話してもらうためである。

下ネタお断りは、女性が一人で安心して来店できるようにするためである。

勝はいつも、17時ピッタリにのれんを出す。 これも約40年間続けてきた。

さて、今日は早速客がきた。 新しい客だ。
年齢は30代半ばだろうか?明らかに仕事帰りとわかるスーツ姿である。

「いらっしゃい」 勝は、いつも通り、客が手でのれんをめくり上げるタイミングで声をかけた。

次ページへ続く