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コラム

POSTED : 2015.7.1

 

食とTPP

 

1.食と覇権

 

「食」はその歴史において、常に世界の覇権を構成する重要な要素でした。

 

古代ギリシャもローマもインドを通じてアジア圏との香辛料貿易に携わり、「食」の交易を通じてヨーロッパとアジアとの間で様々な陸路や海路が整えられてきました。

 

その交易ルートを軍事力によって制覇した中世のスペインやポルトガルは植民地政策を行い、世界中の植民地で砂糖やコーヒーを栽培して経済的に繁栄しました。

 

その後、スペインの無敵艦隊を破ることによってスペインから覇権の地位を引き継いだイギリスは、スペインやポルトガルのように自国消費用の食品を植民地で栽培させることだけを目的とするのでなく、プランテーションによって綿花・穀物・肉牛を生産させて世界中に輸出を行い、現地に産業を根付かせたと言われています。

 

そして、そのイギリスが行ったプランテーション政策によって自国の産業を発展させた代表的な国がアメリカであり、そのアメリカはイギリスから独立後西部を開拓し大規模な農地を手に入れて世界一の農業国となりました。

 

さらにアメリカは、農業に工業的な技術を取り入れて農産物の大量生産を実現し、その後加工や保存の技術を発展させるとともに、完成品としての食品が、コカコーラやマクドナルドのような画一的なブランドとして世界中に輸出されることを可能にしました。

 

2.関税と主権

 

アメリカがイギリスから独立するきっかけとなった「ボストン茶会事件」は、紅茶に課せられた関税が原因であり、植民地における貿易を独占しようとして植民地の貿易に関税を課したイギリスと、その関税を避けようとして密輸を行ったアメリカの間で起こりました。

 

また、我が国は1911年の日米通商航海条約を締結して関税自主権を回復したが、この時に初めて日本が列強と対等な立場にたったと言われています。

 

このように関税を課す権利は、国家の主権に帰属する最も重要な権利の一つです。

 

その点で、TPPは自由貿易圏としての発展のために、各国が主権国家として保有している関税を課す権利を自ら制限することで成立するものと言えます。

 

競争力をもつ国の製品から、自国の産業を守る際の拡大する際の障壁となるのが関税であることから、今回TPP合意によって参加国の農林水産品の関税が撤廃ないしは削減されることになったことは、自由貿易圏の発展のためとはいえ、価格競争力をもつ農林水産品を持つ国にとって有利で、そうでない国にとって不利であることは明らかと言えます。

 

そのように考えると、総論として、「食」をテーマとして考えた場合、食料自給率が40%以下の我が国にとってTPPは不利で、食料自給率が100%を大きく超えるオーストラリアやアメリカにとって有利であることは否定できないと思います。

 

3.関西・食・輸出推進事業協同組合の挑戦

 

しかしながら、安倍首相の「ピンチをチャンスに」という言葉にあるとおり、TPPを契機に「食」の輸出を拡大していこうという取り組みも行われています。

 

http://www.japan-foods.jp/

 

関西・食・輸出事業協同組合は、関西空港から空輸で「食」を輸出するために結成された中小企業による事業協同組合です。

 

日本の「食」は、「安全・安心・ヘルシー」の信頼を世界中で獲得しています。

 

しかしコカコーラやマクドナルドのように世界中で画一的な味を届けるのではなく、一つ一つ手作りで繊細な味を文化とともに届けるのが日本の「食」のよさであり、必然的に保存期間が短く輸出に適しません。

 

そこで、関西・食・輸出事業協同組合は、1社では空輸できなくても、たくさんの中小企業の「安全・安心・ヘルシー」を取りまとめることで、輸出コストの低減を実現しています。

 

キャセイパシフィック、シンガポールエアライン、エアチャイナなど海外資本のキャリアが多い関西国際空港と密接に連携していることも関西・食・輸出事業協同組合の強みの一つ。日本企業ではなかなか発掘できない海外現地バイヤーの発掘にも一役かっています。

 

TPPの合意をきっかけに、こういった中小企業でも海外に「食」を輸出できる事業機会が拡大するとすばらしいと思います。

 

以上