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コラム

POSTED : 2015.7.1

エネルギーとIT

 

東日本大震災以降、我が国のエネルギー自給率は原子力発電所の停止に伴い、

僅か6%程度にまで落ち込み、非資源産出国のスペイン(26.7%)、

イタリア(20.1%)、韓国(17.5%)と比較しても極端に低い水準となっています

(経済産業省『長期エネルギー見通し』より引用)。

 

政府は2030年度のエネルギーの需給について、

①徹底した省エネルギー(節電)の推進、

②再生可能エネルギーの最大限の導入、

③火力発電の効率化等を進めつつ、

原発依存度を可能な限り低減するとしています。

 

原発依存度を低減することの必要性については言わずもがなですが、

原発停止によりLNG火力発電5割、石炭火力発電の比率4割と火力発電依存となっており、

エネルギー安全保障上の観点からも

二酸化炭素排出量削減の観点からも早急な改善が求められるところです。

 

一方で、火力発電の代わりに再生可能エネルギーの構成比を高めると言っても、

現在導入が進んでいる太陽光発電は発電効率が低く、

またメガソーラー敷設のための地上面積確保が逆に自然環境を破壊する可能性があるなどの課題があります。

 

洋上風力や地熱など、日本独自の風土に適合し、

かつ高いエネルギー効率を見込むことができる新しい再生可能エネルギー発電に期待ができますが、

現状これらの発電はコストが高く、

普及に対するハードルは依然として高い状況にあります。

 

火力発電の効率化については、様々な新技術が開発されていますが、

これらの技術がすべて実用化したとしても、

既存の火力発電設備が一斉に効率化された火力発電に生まれ変わるのではなく、

あくまで新規設備投資のみが対象となるため、

短期的な効果を期待することはできません。

 

そこで、短期的に期待されているのが、IT技術によるエネルギー需給の最適化です。

ITによるエネルギー需給の最適化には、

1)デマンドレスポンス

2)エネルギーマネジメントシステム

が代表的なものとして挙げられます。

 

デマンドレスポンスとは、ピーク時に使用を控えた消費者に対して

対価を支払うなどの方法でピーク時の電力使用抑制を促し、

その抑制された電力で他の電力需要をまかなうことで電力の安定供給を行う仕組みを言います。

 

アメリカでは電力会社と電力の需要側の間にアグリゲーターと呼ばれるシステム管理会社が介在し、

アグリゲーターが消費者に対して、電力節約の提案をする仕組みが確立しています。

アメリカでは各アグリゲーター同士でいかに効果的なシステムを提供するかしのぎを削るなど

アグリゲータービジネスとして競争原理が働いている状況にあるようですが、日本では電力小売が規制されていたため、

これまでこういった制度が普及してきませんでした。

しかし、平成28年度には家庭用を含む低圧受電含めて完全自由化されるため、

今後アグリゲーターが介在したデマンドレスポンスによる電力需給の最適化が期待できます。

 

さらに今注目されているのがIT技術を駆使した自動デマンドレスポンスでです。

自動デマンドレスポンスは、アグリゲーターが手動で制御を提案する仕組みと異なり、

電力会社などからの情報に基づいて利用者側の空調機器や照明機器が自動的に制御される仕組みで

日本でも経済産業省が中心となり民間企業25社が参画した実証事業が進んでいます。

 

自動デマンドレスポンスの導入が進むと、

家庭用のエネルギーマネジメントシステムHEMSHome Energy Management System)や

ビル用のエネルギーマネジメントシステムBEMSBuilding and Energy Management System)の導入が進むことが

期待されています。

 

HEMSBEMSのいずれも、現在、導入コストが大きな課題となり、普及が進んでいませんが、

自動デマンドレスポンスが導入されれば、重要側にとってもエネルギーマネンジメントシステムによって

電力の利用を最適化して、省エネ効果を高めるようという動きが急速に進むことが期待できます。

 

 

我が国は、エネルギー資源や農産物の多くを輸入に頼っています。

世界屈指の軍事力を保有しているとはいえ、生活インフラを他国に依存している時点で、

安全保障という観点からは非常にもろいと言わざるを得ない。

 

エネルギー安全保障についても、食料安全保障についても、

短期的に解決する問題ではなく、

長期的なビジョンを持って一つ一つ解決していかなければなりません。

 

一方でIT技術は、一夜にしてグローバル環境に影響を与えるほど変化スピードが速い技術であり、

それを活用することによって、今ある資源の活用を最適化することができる。

 

エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている我が国だからこそ、

省エネのためには、IT技術によるエネルギー需給の最適化を早期に進めていく必要があると言えます。

 

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