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ゲーミフィケーションの特徴とその効果とは?

POSTED : 2015.8.26

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近年、様々なサービスでゲームの考え方やシステムを導入する動きが出ています。この動きはゲーミフィケーションと呼ばれ、2011年頃から米国で注目されるようになりました。その理由は、ユーザーの自発的な行動を促すことが有効だと分かってきたからです。今回は、その「ゲーミフィケーション」の特徴と効果、今後への期待について考えたいと思います。

1.ゲーミフィケーションとは?

Gabe Zichermann氏は近著『Gamification by Densign』において、ゲーミフィケーションとは「ユーザーを惹きつけ、課題を解決するために、ゲームの思考法やメカニクスを用いるプロセス」と定義しています。

例えば、Nike+は、Nike + iPod kitセンサーを装着したジョギングシューズを履いてジョギングすることで、走った距離や時間、消費カロリーが記録されます。このジョギング履歴をオンライン上の自分のアカウントに同期し、運動の記録やゴール設定、達成率や友人との比較・競争、友人グループ同士の競争などが行えるようになっています。

また、観光でも利用され始めています。Googleが開発した「Ingress」は各地にある史跡等を仮想空間の拠点に見立てて陣地を取り合う、スマートフォンのゲームアプリです。ユーザーは実際に現地に行く必要があるため、地域の観光振興や活性化、情報発信の手段として注目されています。このように、ゲーミフィケーションは多方面に応用されようとしています。

ゲームの思考方法を具体的に体現し、アプリケーション設計上適用される仕組みは「メカニクス」と呼ばれます。具体的には、以下が挙げられます。

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2.ゲーミフィケーションの適用形態

(1)ポイント

ユーザーが特定の行動をとる度に、その進捗度合に応じて定量的な報酬(ポイント)を付与する仕組みです。特定の行動とは、例えば製品を購入する、店舗に行く、サービスを利用する、スキルを獲得する、評価を得るなどの行為です。

(2)バッジ
ユーザーが設定した目標の達成状況に応じて、特定の色やアイコンなどを付与する仕組みです。ユーザー自身の達成度が分かる上、第三者に分かりやすく伝達することができます。ステータス(地位)を付与する仕組みとも言えるでしょう。

(3)達成化評価(リーダーボード)
特定の目標が設定されたゲームなどでユーザー同士の達成状況を表示するものです。営業部門で見かける、月間の営業ノルマの達成度のバーチャートと同じです。

(3)チャレンジ&クエスト
ユーザーにヒントや指示を与え、プレーヤーに一定のルールや構造を与え、プレーヤーが創意工夫をしてそのルールや構造に沿って問題解決をすることで、ゲームや課題にユーザーを惹きつける仕組みです。この仕組みは、難易度が高い課題や継続性が求められる課題に取り組ませる際に有効です。

(4)レベル
ユーザーのゲーム遂行能力を測る物差しがレベルです。ユーザーがタスクやステージをいつまでにどれだけクリアしたかでゲーム遂行能力を測り、それに応じて適度な難易度を提供することは、ユーザーを惹きつけ、ゲームに留まらせるで重要です。

(5)オンボーディング(チュートリアル)

ユーザーがゲームに初めて参加する際、情報収集や操作習得等に負担がかかれば、そのゲームへの関心が薄れ、没入するのが難しくなります。そこで、ゲームに無理なく参加させる仕組みが必要となります。例えば、ユーザー情報の登録をする際にカジュアルな質問に答えていくことで登録ができる仕組みやゲームの開始直後に簡単な課題を与えて画面上で矢印やマークを表示させて誘導する方法があります。

3.ヘルスケアサービスの設計にあたって

ユーザーは、他人から認められることに対する名誉欲、競争に勝つことへの勝利欲、知的課題を達成できたことによる自己実現欲・知的充足感なども抱いています。この潜在ニーズに応えるためには、単なる経済的な報酬だけでなく上記の「メカニクス」を組み合わせて活用していくことも重要になるでしょう。

ゲーム自体は嗜好品ですので、飽きられずに人を惹き続ける必要があります。「ゲームニクス」の提唱者で立命館大学映像学部教授のサイトウ・アキヒロ氏(*1)は、任天堂が成功した理由の1つとして以下が重要だったと述べております。

・直観的な操作性(インターフェース、操作性)

・段階的な学習効果

・マニュアルなしでルールが理解できる

・はまる演出と段階的な学習効果

・ゲームの外部化(現実とのインタラクション)

出所:『ゲームニクス理論-ゲームUIの方法論を整理して体系化する-』サイトウ・アキヒロ氏発表資料
http://www.slideshare.net/jrpj2010/t10-4966875

健康意識や健康経営の高まりとともに、健康管理や生活改善のためのアプリやサービスも増えてきました。これらのサービスを設計するにあたっては、ゲームニクスのような“人を夢中にさせるノウハウ”が必要になるでしょう。また、使用時のみならず、ユーザーの興奮や競争心、自己顕示欲、交流欲といったニーズも汲み取ることで、使用後の達成感や充足感(カタルシス)を周囲に伝播・影響させる仕組みも必要でしょう。

これまで、「ゲーミフィケーション」について、その適用形態と効果、今後の期待について簡単に触れました。次回は、ゲーミフィケーションを活用した米国のヘルスケアサービスについて紹介します。(おわり)


*1 サイトウ・アキヒロ氏:任天堂を中心にゲームクリエイターとして活躍され、スーパーファミコンからプレイステーション2まで同社のメインクリエーターを担当。現在は日本の優秀なゲームインターフェイスを「ゲームニクス」と命名し理論化。この「人を夢中にさせるノウハウ」の他分野での活用を提唱し、カーナビゲーション、電子教具、デジタル家電などへの導入を実践している。
*2 この記事は景山宙(かげやまひろし)が担当した。