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NEWS/お知らせ

医療ビッグデータと匿名加工医療情報

POSTED : 2018.7.31

 

平成30年6月15日に閣議決定された『経済財政運営と改革の基本方針2018』(骨太の方針)に以下の内容があります。

 

——

 

第2章 力強い経済成長の実現に向けた重点的な取組 

 

2.生産性革命の実現と拡大

 

(3)「Society 5.0」の実現に向けて今後取り組む重点分野と変革の牽引力となる「フラッグシップ・プロジェクト」

 

② 次世代ヘルスケア・システムの構築プロジェクト

 

・個人の健診・診療・投薬情報が医療情報の間で共有できる全国的な保健医療診療ネットワークについて、2020年度からの本格稼働を目指す。

 

・PHR(Personal Health Record)について、2020年度よりマイナポータル(個人向け行政ポータルサイト)を通じて本人等へのデータの本格的な提供を目指す。

 

・「認知症の人にやさしい」新たな製品やサービスを生み出す実証フィールドを整備すべく官民連携プラットフォームを2018年度中に構築する。

 

・業界の自主的な品質評価の仕組み構築を通じた保険外サービスの客観的な品質の「見える化」や、地方自治体やケアマネージャー等からの利用者に対する良質な保険外サービスに関する積極的な情報提供を促す。

 

・服薬指導を含めた「オンラインでの医療」全体の充実に向けて、次期以降の診療報酬改定における有効性・安全性を踏まえた評価、医薬品医療機器等法の改正の検討など所要の制度的対応も含めて、ユーザー目線で、現状を更に前進させる取り組みを進める。

 

・アジア健康構想の下、わが国のヘルスケア産業の海外展開等を実施する。

 

——

 

以上、『経済財政運営と改革の基本方針2018』より抜粋

 

この内容から、2020年度に全国的な保健医療ネットワークが稼働し、かつ個人向けにも行政ポータルからPHRデータの本格的な提供が行われることが目指されていることが分かります。

 

実際に、7月26日には「医療版マイナンバー」(関連記事)、7月28日には「健康・医療・介護情報基盤(仮称)」(関連記事)の発表が行われており、2020年度に向けて体制構築が進められていることがわかります。

 

各省庁から構成される健康・医療戦略推進会議と健康・医療戦略推進本部が開催されています。

 

また、内閣官房健康・医療戦略室より公表されている以下資料の「オールジャパンでのデータ利活用基盤の構築」から、2020年度までに整備されるデータ利活用基盤のスケジュールと、それによって実現できる内容を理解することができます。

 

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/dai5/siryou1.pdf

 

2018年5月11日(金)には、次世代医療基盤法が施行され、この「オールジャパンでのデータ利活用基盤」の中にある、「認定匿名加工医療情報作成事業者の実現」については、すでに動き出しています。詳細は以下の関連URLから確認することができます。

 

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/houritsu.html

 

昨年改正された個人情報保護法では病歴、健康診断の結果、診療にかかわる情報、ストレスチェックの結果などは要配慮個人情報としてその取得にあたってはオプトアウトではなく、取得の目的や使用方法を明確にした上での個別の同意が必要となっています。

 

次世代医療基盤法が施行されたことにより、次世代医療基盤法に従って認定を受けた「匿名加工医療情報作成事業を行う者」に対しては、本人の個別の同意を得る(オプトイン)ことなく、本人に拒否されない限りは(オプトアウト)、医療機関は情報を提供できることになります。

 

医療分野の研究開発に資するための匿名加工情報に関する基本方針について(平成30年4月27日閣議決定)に、基本方針が定められています。この基本方針を読むと、全体像を理解することができます。

 

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/pdf/h300427_kihonhosin.pdf

 

「匿名加工医療情報作成事業を行う者」の認定を受けるための手続きについては、以下のガイドラインで公表されています。

 

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/pdf/h3005_guideline.pdf

 

このガイドラインを見ると、「匿名加工医療情報作成事業を行う者」の認定を受けるために、例えば、

 

・統括管理責任者がいて、匿名加工医療情報作成事業を適正かつ確実に行うに足りる経験及び識見を有するものを確保していること(P7)

・医療情報検索システムその他匿名加工医療情報作成事業の実施に必要な設備を備えていること(p8)

・匿名加工医療情報の提供の是非に際しての審査体制(p9)

・広報啓発相談体制(p11)

など、情報を安全に管理する体制だけでなく、専門性、内部の審査体制、外部からの問い合わせへの対応体制などが求められており、多くの事業者が新たに構築しなければならない内容が少なからずあると思われます。

 

また、同Ⅳ.医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律についてのガイドライン(医療情報の提供編)には、医療情報を提供する側が、「匿名加工医療情報作成事業を行う者」に対して情報を提供する際についての指針が定められています。この中には、「医療情報の提供にかかる追跡可能性」についても言及されていますが、記録の作成や保管だけでなく、場合によっては医療情報を取得した経緯等の確認まで必要になることもある点に注意が必要です。

 

次世代医療基盤法はまだ施行されたばかりであり、「匿名加工医療情報作成事業を行う者」の認定に4か月を要するとのことなのでまだ具体的に認定を受けた事業者の方はいらっしゃらないと思いますが、「オールジャパンでのデータ利活用基盤」からして、認定を受けた事業者にとっては様々な活躍が期待されていると思います。2020年度新しい社会的なインフラが構築されるにあたっての大きなビジネスチャンスであるともいうことができると思います。

 

以上 日通システム