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自治体・国保の取組事例

健康な地域社会の実現に向けて 蒲郡商工会議所

POSTED : 2018.12.11

 

 

 

1.蒲郡商工会議所について

 

蒲郡商工会議所は、昭和21年12月21日に商工会議所法により設立された「地域総合経済団体」であり、市内約4,000社の企業のうち、約1,800社が会員となっている。商工会議所として商工業者の世論を代表し、産業・経済の振興・発展に努め 地域経済の健全な発展に寄与している。

 

活動としては、業種別部会の活動を通じた国や県への建議要望、都市基盤充実・水資源確保・港湾整備・ 環境対策などの地域経済開発、その他にも産業振興、観光振興、情報提供、共済など多岐にわたっている。さらに、中小企業者の経営改善を支援することを目的として中小企業相談所を設け、経営指導員などが地域企業の経営上の悩みについて相談・指導に応じている。

 

 

2.蒲郡商工会議所と健康

 

蒲郡商工会議所として、「健康」をテーマとして地域企業との取り組みを開始したのは10年以上前になる。平成17年に「癒しとアンチエイジングの郷 推進協議会」を設立し、地域企業を核に、行政、農・漁業・医療団体など幅広い51団体が連携して『医・衣・食・住』の新産業創出に継続的に取り組んできた。

 

「癒しとアンチエイジングの郷 推進協議会」では分野毎に研究会を設置し、各研究会に、商工会議所の会員企業・団体から派遣されたワーキングメンバーが所属する仕組みになっている。研究会ではメンバー間での意見交換を行い、テーマを定め、目標に向かって活動を行うだけでなく、立ち上げ当初は円滑な協議会活動のために、アドバイザーを置いて当該アドバイザーに必要な助言・サポートを求めるといったことも行っている。

 

現在、健康×観光(健康サービス関連分野)、健康×先端技術(先端技術分野)、健康×繊維(健康新繊維分野)、健康×食品(健康食品分野)を重点分野として、新産業創出に向けた生涯健康産業の振興、地域ブランドの創出を狙っている。

 

さらに、平成29年からのアクションプランでは、ヘルスケア産業の創出を掲げ、以下の通り、「働く人の健康づくりの推進」「アンチエイジングサービス事業化の促進」に取り組んでいる。

 

 

健康デザインセミナーの開催、協会けんぽ愛知支部・蒲郡市と連携した健康宣言奨励、健康経営普及啓発パンフレットの作成などを行っている。

 

<健康デザインセミナー(食・運動編)>

(写真:蒲郡商工会議所提供)

 

<健康デザインセミナー(簡単マイドフルネスワーク)>

(写真:蒲郡商工会議所提供)

 

蒲郡商工会議所では、職員8名が健康経営アドバイザー(初級)の認定を受けている(平成30年11月現在)など、地域企業への健康経営の普及啓発・実践支援にあたって自らも必要な知識を身につけるべく努力をしている。

 

また、蒲郡商工会議所の相談員が協会けんぽや蒲郡市と一緒に市内企業に訪問しており、協会けんぽや市が健康面での支援を、商工会議所が経営面での支援を行うことで、健康面と経営面の両方で健康経営実践のサポートができるようにといった取り組みも行っている。

 

さらに、蒲郡商工会議所として企業から受けた健康経営に関する相談を、地域の専門家に対して橋渡しできる体制を構築していきたいと考えている。地域企業から様々な専門的な相談を受けられるようになることで、地域企業の健康経営への取り組みが促進し、併せて地域の専門家にとっても活躍の場が増えることで、地域としての健康経営のサポート体制がますます充実していくというプラスのサイクルが回ることを目指している。

 

また、2017年3月には、地域企業における従業員の健康づくりへの取り組みの現状と課題を把握すべく、蒲郡商工会議所として市内企業へのアンケート調査も実施した。健康経営が地域の幅広い企業に浸透していくために、商工会議所として健康経営のメリットを「どう分かりやすく伝えるか」ということが現在の課題である。ブランドイメージの向上、生産性の向上といった成果を短期間で示すことは難しい。健康な地域社会の実現に向けて、現在、地域企業に対して、その企業にあった他社の事例を紹介するなど、各社の「健康づくりを支える」という立場で取り組んでいくことに心がけている。

 

 

蒲郡での健康的なライフスタイルを提案する『健康デザインフェス』や、健康をデザインする体験型プログラムを提供する『健康デザインプログラム』を開催しているほか、蒲郡のロケーションを活かしたメディカルツーリズム、スポーツツーリズムの検討も行っている。

 

<健康デザインフェス>

(資料:蒲郡商工会議所提供)

 

 

 

3.蒲郡商工会議所の健康経営

 

蒲郡商工会議所自身も、2017年4月11日に「健康宣言」を行い、健康経営に取り組んでいる。市内企業訪問の際に自転車を用いたり、ヘルシーメニュー弁当のランチ会を行なったりといったことを行ってきた結果、2017年8月には、健康経営優良法人2017の追加認定にて、三島商工会議所とともに商工会議所として初めて健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を受けた。そして2018年も引き続き、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を受けている。

 

蒲郡商工会議所として健康宣言を行い、健康経営優良法人認定への申請を行った経験に基づき、企業への申請手続き等への相談対応も行っている。

 

 

4.東三河広域経済連合会

 

蒲郡市がある東三河地区には、3つの商工会議所、11の商工会で構成される東三河広域経済連合会が構成されている。

 

東三河広域経済連合は、「自動車産業」「人材育成」「健康医療」の3つの視点からプロジェクトを推進することにより、地域のあらゆる資源の総合化・融合化によるダイナミックな広域連携を進め、東三河の産業経済の発展を担うセンターとして、次の時代に対応した経済圏を構築することを事業目的としている。

 

東三河広域経済連合会としても、連携して健康経営の普及のための活動をしている。平成27年には東京大学政策ビジョンセンター古井祐司特任教授をお招きし、蒲郡商工会議所にて健康経営セミナーを開催、その後、平成29年度には豊橋商工会議所と豊川商工会議所で、平成30年度には豊橋商工会議所で、それぞれ講師をお招きし、東三河広域経済連合会主催のセミナーを開催している。

 

<平成30年健康経営推進セミナー(突破する企業のためのレジリエンス)>

(写真:蒲郡商工会議所提供)

 

 

5.蒲郡商工会議所へのインタビューを終えて

 

中小企業が健康経営に取り組むにあたって、「きっかけがない」「何をどうしたら良いのか分からない」「具体的なメリットが分からない」といった課題をよく聞く。

 

その点、蒲郡商工会議所は、地域企業への健康経営の普及のために、セミナー等で地域企業が健康経営に取り組むきっかけをつくる他、自らが健康経営アドバイザーの資格を持ってアドバイスを行い、さらに地域の専門家の橋渡しを行うなど、地域企業に寄り添った支援をされている。

 

まさに「地域密着ならでは」の「現場力」を感じた。

 

経営面での指導を含めて、包括的でかつ個別具体的な地域企業への支援を行うことができる組織は他にはなかなかなく、商工会議所ならではの活動と思われるが、他に多くの業務を抱える中、限られた人材で地域企業の健康経営の普及及び実践支援のための体制を整えるのはかなり大変であると思う。

 

蒲郡商工会議所の組織全体が、方向性を一致して、「健康経営とヘルスケア産業で地域企業を元気にする」という強い思いを持って取り組まれているからこそ、実現されていると思う。

 

こういった組織としての方向性が明確に一致できているのも、もしかしたら自ら健康経営を実践されているからこそかも知れないと感じた。(インタビュー:日通システム)

 

以上