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自治体・国保の取組事例

わたしの健康 まちの健康 みんなで育む 元気なまち

POSTED : 2018.8.21

 

 

 

1.春日井市について

 

春日井市は名古屋都市圏の北東部にあって高蔵寺ニュータウンに代表されるように名古屋都市圏の住宅都市としての特徴を持つ。春日井市の北部から東部にかけては4 0 0 m 前後の山地が連なっており、また市の中心地から30分ほどで森林が広がっているなど、豊かな自然環境に恵まれている。その一方で、鉄道・高速道路だけでなく空の便にも簡単にアクセスできる高い交通の利便性を持ち、また愛知県トップクラスの都市公園の数を誇り、近隣含めて植物園、博物館、史跡なども多数存在しているなど良好な都市環境となっている。

 

春日井市の人口は昭和49年には20万人、平成17年には30万人を突破し、平成30年現在では人口31万人を超えている。中部圏の中堅都市として、春日井市は「暮らしやすさと幸せをつなぐまち かすがい」を将来像に掲げ、その実現に向けたまちづくりに取り組んでいる。

 

平安時代の三跡のひとり、小野道風は、古くから春日井で生まれたと言い伝えられている。春日井市の人々はその言い伝えを信じ、誇りにしており「書のまち春日井」をキャッチフレーズにし、道風記念館の事業、全国公募の書道展である道風展の開催など、書道文化の振興に力を入れている。

 

 

2.かすがい健康計画2023と最重点取組

 

春日井市は平成2年に以下の「健康都市宣言」を行っている。

 

・スポーツやレクリエーションを通じて、健全なこころとからだをつくりましょう。

・市民一人ひとりが調和のとれた健康で明るい家庭をつくりましょう。

・健康づくり・体力づくりを地域にひろめ、健康で明るいまちをつくりましょう。

(以上春日井市ホームページからの引用)

 

また平成11年3月に「春日井市保健計画」を策定、平成22年3月には「新かすがい健康プラン21」を策定し、一連の健康づくり計画に基づき「自分の健康は自分で守る」意識の醸成、市民の健康増進および地域保健の充実に努めてきた。そして、平成25年7月には市民の健康を支える両輪である健康づくりと地域医療の確保の重要性を市民全体で共有するため「春日井市健康づくり及び地域医療の確保に関する基本条例」を制定した。

 

平成26年3月には「わたしの健康 まちの健康 みんなで育む 元気なまち かすがい」を基本理念とする「かすがい健康計画2023」を策定し、平成26年度から平成35年度までの10年間の基本計画として推進している。

 

「かすがい健康計画2023」は以下のとおり、2つの基本方針と6つの施策によって構成されており、さらに施策ごとに重点目標と主な取組が定められている。

 

(資料出所:かすがい健康計画2023より抜粋)

 

「かすがい健康計画2023」を効果的に推進するためには、現時点で課題となっている分野への対応や必要な環境整備を重点的に行っていくことが求められている。そこで、計画を推進するにあたり、春日井市では以下の2点を最重点取組として位置付けている。

 

(資料出所:かすがい健康計画2023より抜粋)

 

平成29年度は、春日井市は最重点取組について、それぞれ以下のような内容を実施している。

 

 

【最重点取組① ロコモティブシンドロームの予防】

 

1)健康づくり講座

健康管理事業団では、18歳以上の方を対象に、健康づくりに関する各種講座を開催している。平成29年度は保健センターと総合保健医療センターで「ロコモ予防教室」と題し、ロコモティブシンドローム及び低栄養予防の啓発を行った。

 

2)市民健康づくり講座

疾病の予防には病気を正しく理解し、日頃から正しい食習慣、運動習慣などの生活習慣を身に付けることが大切であることから、そのきっかけづくりとして、医師や有識者等による講演を行っている。平成29年度は「骨・コツ学ぼう!ロコモ予防」と題した講座を実施した。

 

3)レッツ!健康チェック

生活習慣病の正しい知識の普及や現在の健康状態を確認してもらうとともに、ロコモティブシンドローム予防の啓発、がん検診受診の促進を図るため、市内の商業施設で体成分分析と骨密度測定、血管年齢測定、ロコモティブシンドロームに関するパンフレットの配布、健康相談等を実施している。平成29年度はイオン春日井店で骨密度測定や健康相談などを行った。

 

4)健康手帳の交付

自身の日頃の健康管理に役立ててもらうため、40歳以上の市民に無料で手帳を交付している。手帳には特定健診や各種検診等の記録が記入できるうえ、肥満や生活習慣病予防対策、ロコモティブシンドローム等についての健康づくりのポイントが掲載されており、市役所や公共施設の窓口13か所の他、商業施設等でのがん検診受診啓発イベント開催時にも随時交付している。

 

5)広報等での周知啓発

広報春日井、ホームページで健康づくり等に関する情報提供を定期的に行い、市民への周知・啓発を実施している。平成30年3月1日号広報では、スマートフォン向け「かすがい健康マイレージアプリ」の活用を周知・啓発をした。

 

6)骨密度検査

骨量を測定する検査を行うことで、骨粗しょう症による骨折などを未然に防ぎ、寝たきりなどの介護予防に努めている。

 

7)出前講座

事業者や学校、団体、個別のグループからの依頼により、市職員が事業場や学校などに出向き、健康に関する内容について講座を実施する中で、ロコモティブシンドロームの予防について周知・啓発を行っている。平成29年度は2つの事業所と3つの団体でロコモティブシンドロームの紹介を行った。

 

8)かすがい健康マイレージ事業

後掲

 

9)お気軽運動教室

平成28年度からの新規事業。運動で体の健康を促すエクササイズと脳の活性化を図るコグニションを同時に行う軽運動を取り入れた教室を開催し、身体を動かすきっかけづくりや認知症予防への支援を行うことで、高齢期における自立度の低下を防ぎ、健康寿命の延伸を図る。また開催する曜日と時間を固定し、事前申し込みを不要とすることで、思い立ったときに気軽に参加できる教室としている。総合保健医療センターにて毎週金曜日午後に開催。平成29年度から会場を増やし、保健センターでも毎週火曜日午後に開催。

 

10)出張スポーツ講座

スポーツ・ふれあい財団の職員が老人クラブ、企業等の地域へ出向き、運動講座を実施する中で随時、ロコモティブシンドロームの概要を紹介し、周知・啓発を図っている。

 

11)生涯スポーツ教室

スポーツ・ふれあい財団では、スポーツによる健康・体力づくりを推進するため、気軽に取り組むことのできるスポーツ教室を開催し、運動器の機能維持を促すとともにロコモティブシンドロームの紹介を行い、予防啓発に努めている。平成29年度は「脂肪燃焼エクサ」を始め、フィットネスプログラム、水泳教室、アクアビクス等を実施した。

 

12)体育館やトレーニング室の利用

温水プールのトレーニング室に常駐するトレーナーが効果的なトレーニング方法を指導する中で、ロコモティブシンドロームの予防についても随時啓発している。

 

13)イベントでの啓発

9月3日に開催した健康救急フェスティバルにおいて、骨密度測定や足指力測定、お気軽運動(頭と身体を同時に使った運動)を実施するとともにロコモティブシンドローム予防の啓発文書を配布し、周知を図った。また、レッツ!健康チェックにおいて、骨密度測定や健康相談などを実施した。

 

14)スタイルアップ教室

18~49歳の若い世代を対象として、生活習慣病やメタボリックシンドームなどについて学ぶとともに、健康運動指導士等におる運動指導を行う教室を開催。平成27年度から、新たにロコモティブシンドロームの内容を追加した。

 

15)60歳からのスロートレーニング教室

60歳以上の市民を対象に、安全に正しく筋力を高める方法を身につけてもらうための教室を、福祉の里レインボープラザで開催している。

 

16)「かすがいいきいき体操」の普及活動

市が介護予防を目的に製作した「かすがいいきいき体操」に気軽に取り組んでもらえるよう

市のホームページで周知するほか、ふれあいセンターなどの施設で体操のDVDやビデオテープを貸し出している。また、指導者養成講座を隔年で開催し、体操の普及に努めている。(平成18年度から開催しており、平成25年度から隔年に変更。平成29年度は1回実施)。

 

 

【最重点取組② 職場で支える健康づくりの推進】

 

1)かすがい健康マイレージ事業

後掲

 

2)運動指導事業

スポーツ・ふれあい財団が、市や外郭団体からの運動指導要請に応え、その職員(従業員)を対象に運動に関する講義や運動指導を実施している。平成29年度は市の新任課長補佐職や新任主査職研修等に講義や運動指導を実施した。

 

3)職域におけるアンケート実施

平成26年3月に策定した「かすがい健康計画2023」の中間評価及び改定のために、事業所における健康づくり等の取組状況を把握するため、食育推進協力店や健康マイレージ協力店、市内従業員100人以上の事業所などを対象に、健康・食育に関するアンケート調査を実施した。

 

4)職場のメンタルヘルスセミナー

職場での健康管理に係る担当者等を対象として講習会を実施している。平成29年度は、「対人援助職のための心の健康づくり~元気に仕事を続けるために~」と題し、講演を実施した。

 

5)出前講座

事業者の依頼により、市職員が事業所に出向き、健康に関する内容についての講座を実施している。平成29年度は、製造業事業所に対して「かすがい健康マイレージについて」の講座を、人材派遣事業所に対し「心身ともに健康であるために」の講座を行った。

 

6)仕事と家庭の両立を支援する企業をホームページで紹介

企業が仕事以外の活動を支援することで、家庭などでのストレス発生の抑制やこころとからだの休養を促進するため、仕事を育児・介護・地域活動など仕事以外の活動を両立できるよう積極的に取り組む企業をホームページに紹介するとともに、市内で仕事以外の活動を支援する企業が増えるよう周知・啓発を行っている。平成29年度は仕事と家庭の両立を支援する市内企業2社を新たに取材し、ホームページで紹介した。

 

7)基本健診

労働安全衛生法に基づく健康診断と同等の健診を実施することにより、企業の安全衛生業務を支援している。平成29年度は337事業所、3,271人がこの制度を活用して基本健診を受診した。

 

※平成30年度春日井市健康ガイドP9の「基本健診」参照

http://www.city.kasugai.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/247/kenkougaido.pdf

 

8)協会けんぽとの協定

春日井市と全国健康保険協会(協会けんぽ)愛知支部は、健康づくりの分野で相互に連携・協力し、職場や地域における健康課題を抽出・共有するとともに、様々な取組を行うことにより、市民の生活習慣病の予防を図るため、平成26年度末に協定を締結。

 

市のがん検診や協会けんぽの特定健診の受診率向上、生活習慣病の予防などに向けて、次の連携・協力を行っている。

 

<<29年度に実施した連携・協力>>

・3月末に協会けんぽが発送した平成30年度特定健診受診券に市のがん検診の啓発チラシを同封

・ホームページに協会けんぽの特定健診と市のがん検診が同時に受けられる医療機関を掲載

・協会けんぽ被扶養者特定検診未受診者に対して、受診勧奨を行う際に市のがん検診の啓発チラシを同封

 

※以上、最重点取組の実施状況について、春日井市提供資料より抜粋

 

 

3.かすがい健康マイレージ

 

かすがい健康マイレージは、食事や運動などの生活習慣の改善に取り組んだり、健診(検診)の受診、健康講座等へ参加したりすることで、マイレージ(ポイント)をためて、楽しみながら健康づくりができる事業であり、春日井市では平成27年度より実施している。以下の図にあるとおり、チャレンジシートを手に入れ、100ポイント以上ためると優待カード「まいか」を入手することができ、さらに抽選で協賛品、オリジナルグッズをもらうことができる仕組みである。

 

(資料出所:かすがい健康マイレージ チャレンジシートより抜粋)

 

ポイントには、チャレンジポイントとボーナスポイントの2種類がある。

 

チャレンジポイントは、食事・運動・その他の3つの分野で自ら宣言した目標にチャレンジして獲得するポイントである。それぞれの分野で1日1ポイントとなっている。

 

(資料出所:かすがい健康マイレージ チャレンジシートより抜粋)

 

ボーナスポイントは人間ドックや特定健診、がん検診の受診や健康づくりに関する講座やイベントに参加して獲得するポイントである。

 

(資料出所:かすがい健康マイレージ チャレンジシートより抜粋)

 

100ポイントためてチャレンジシートに記入して市内の所定の申請場所で申請すると「まいか」の交付を受けることができ、愛知県内の「まいか」協力店での特典を得ることができる。(「まいか」の協力店は平成30年5月1日時点で愛知県内965店舗、春日井市内29店舗)

 

※「まいか」協力店については、愛知県のあいち健康マイレージ事業ホームページ参照

 

http://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenkotaisaku/0000075664.html

 

さらに、春日井市ではお楽しみ特典として、「まいか」交付者の中から抽選で賞品をプレゼントしている。平成30年度は、市内企業からの協賛を得ることも出来て、以下の通りの賞品となっている。

 

(資料出所:春日井市提供資料)

 

夏休みには小学生を対象とした「かすがいっ子 夏休みチャレンジ」を実施している。子どもの時から規則正しい生活習慣を身につけてもらいたいということで実施しており、実際に多くの小学生がチャレンジに参加し、チャレンジシートを提出している。

 

(出所:春日井市ホームページ)

 

 

 

4.かすがい健康マイレージアプリ

 

「かすがい健康マイレージアプリ」は、平成30年3月1日から提供されている「かすがい健康マイレージ」に参加できるアプリである。チャレンジシートを提出しなくても、アプリ上から「まいか」の申請が出来る他、健康記録(ポイント登録)が1タップで簡単にできたり、歩数計測機能を活用した消費カロリーが表示出来たり、歩数ランキングが表示できたりなど、アプリ独自の機能も追加されている。

 

(出所:春日井市ホームページより画像抜粋)

 

(出所:春日井市ホームページより画像抜粋)

 

(出所:春日井市提供)

 

※「かすがい健康マイレージアプリ」のダウンロードについては以下ページを参照

 

iPhoneの場合(外部リンク)

 

アンドロイドの場合(外部リンク)

 

「かすがい健康マイレージアプリ」は2018年6月末時点でダウンロード数は約1,600件となっており、また、平成30年度の「まいか」交付数は、開始から3カ月の時点ですでに平成29年度の大人への「まいか」交付数を超えていることから、アプリの導入により「かすがい健康マイレージ」への大人の参加者が増加したという効果があったと言える。

 

 

5.今後の取組に向けて

 

「かすがい健康マイレージアプリ」の導入によって一定の効果があったものの、一方でアプリの利用者数が伸び悩んでいるという課題もある。そのため、春日井市ではイベント等を活用してより一層PRを行い、普及促進を図っていく方針である。

 

さらに、春日井市では、協力店・協賛企業の登録数の増加や職域の利用促進を図るため、企業訪問等による協力依頼を行ったり、また企業にとっても使いやすくなるように事業者単位で参加できるようアプリの機能拡充を行うことも検討している。

 

春日井市には自然を満喫できるウォーキングコースなどを選定した「歩こうマップ」がある。「歩こうマップ」をもっと活用することで市民のウォーキングへの参画意識を高め、「かすがい健康マイレージ」への参加を促していくことも考えられる。

 

歩こうマップについては、以下春日井市ホームページ参照

http://www.city.kasugai.lg.jp/shimin/iryo/1003187/1003222/index.html

 

春日井市では平成27年度から、健康づくりに積極的に取組む「健康マイスター」の認定を行っており、平成27年度から平成29年度までの合計で95名の市民の方が「健康マイスター」に認定されている。

 

「健康マイスター」の多くの方がボランティアとして登録されており、フォローアップ講座を経て市の事業などにボランティアとして参加するなどの活動をされている。

 

こういった「健康マイスター」の方々の協力を得ながら、さらに健康づくりへの市民の方々の意識を高めるとともに、「かすがい健康マイレージ」の活性化を図っていくことも考えられる。

 

以上