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専門家視点で発信する健康ブログ

PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)

POSTED : 2018.8.27

 

 

以前、健康経営.comに記載させていただきました以下記事で引用させていただいているとおり、

 

医療ビッグデータと匿名加工医療情報

 

経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針)に以下の通りの記載があります。

 

 

『PHR(Personal Health Record)について、2020年度より、マイポータル(個人向け行政ポータルサイト)を通じて本人等へのデータの本格的な提供を目指す。』

 

また、PHR(Personal Health Record)の脚注として以下の通り記載されています。

 

『個人の健康状態や服薬履歴等を本人や家族が随時確認でき、日常生活改善や健康増進につなげるための仕組みを言う。』

 

 

この脚注からだけでは、PHRで管理する対象となる情報がどこまで含まれるか判断がむつかしいですが、少なくとも健康診断の結果は、PHRで管理する対象となりそうに思います。

 

定期健康診断の結果について、これまで、健康診断を受けた本人のものなのか、それとも病院のものなのか、それとも労働安全衛生法上の義務として費用を負担した企業のものなのか、そのデータの所有について強く意識されることがありませんでしたが、このPHRの考え方では「自分が自分の健康データを所有して管理する」ということを意識せざるを得なくなり、本人は自己のデータとしてそれを活用していくことが意識されるようになると思います。

 

すでに産業保健でも健保による保健指導等でも、健康診断の結果は活用されており、個人も過去の健診結果を蓄積していますが、個人が自ら、積極的に健康データを活用するという点では、現時点では浸透しているとは言えないと思います。

 

例えば血糖値が高いといった場合、健保の保健指導で、「ウォーキング」をすすめられたとします。保健指導をする保健師が毎日の歩数まで管理してくれるわけではないので、多くの方が、自ら工夫してウォーキングによる歩数を記録・管理していると思います。最近ではウォアラブル端末やスマホのアプリなどで歩数を記録してくれるので、歩数の管理はより簡便に、かつ質も高く行うことができるようになっています。

 

そして無事血糖値が改善すると、通常は、保健指導はそれで無事「終了」ということになります。

 

これが、現在の健診結果から保健指導におけるデータの活用の流れだと思います。

 

一方で健診結果や血糖値改善のための行ったウォーキングなどのデータが「自らの大切なデータ」としてPHRで管理されるようになると、PHRを有効に活用できる人は、保健指導の間だけでなく、血糖値がどれくらい改善したか、ウォーキングの効果はどうであったか、を分析して、再び血糖値が上がることがないように、自らをマネージメントしながら健康づくりに取り組むようになるでしょう。これが、積極的な意味での「健康データを活用する」ということであると思います。

 

おそらく、「積極的」に「健康データを活用する」ことができる人はもともと健康意識が高い人だと思われ、そもそも健康データを活用しなくても健康である人が多いと思います。PHRで「健康データを自らのもの」にしなければならないのは、本来は、健康に関心のない人たちでしょう。しかし、いくらPHRという便利な仕組みが構築されたとしても、健康に関心のない人たちはなかなか「積極的」に活用することはないと思います。

 

そこで、企業や健保の活動が重要になってきます。これまでのような産業医や保健師によるフォローや、健保とのコラボヘルスだけでなく、PHRを活用した「データによるフォロー」を、企業のシステムとして導入することができれば、社員にとってPHRを有効に活用しやすくなります。隣の社員がうまく活用していれば、それを見習って活用することもできますし、企業内での有効活用での研修なども実施することもできるのではないかと思います。それによって、今よりももっと、健康度が高まるのではないでしょうか?

 

今から、PHRを意識して社員が「積極的」に健康データを「活用する」ことまで意識して、健康経営に取り組むことができている企業はそれほどないと思います。こういった「データ」でのフォロー体制を構築できている企業とできていない企業の差は大きいと思います。また、産業医や保健師がいない中小企業でも、「健康データを自ら活用」するための企業としてのフォロー体制を構築することができれば、PHRが実現したときに社員の健康維持・増進をフォローすることができますが、そのための投資はPHRの実現によって低く抑えられる可能性もあります。

 

本人が健康寿命を延伸できるかどうかは、PHRを有効に活用できるかどうかが重要であり、本人が有効にPHRを活用できるかどうかは、企業がそのための支援体制を構築できるかどうかが重要であると言えます。

 

 

また、骨太の方針2018では

第3章 「経済・財政一体改革」の推進

4.主要分野ごとの計画の基本方針と重要課題

(1)社会保障

の中に以下の通りの記載もあります。

 

『レセプト情報を活用し、本人の同意の下、医師や薬剤師が投薬歴等を閲覧できる仕組みの構築や、診療報酬での評価等により、多剤投与の適正化を引き続き推進する』

 

『予防・健康づくりへの取組やデータヘルス、保健事業について、多様・包括的な民間委託を推進し、サービスの質と効率性を高めていく。産業医・産業保健機能の強化や健康経営を刺させるサービスの活用促進を図りつつ、企業が保険者との連携を通じて健康経営を促進し、予防・健康づうりの推進における先進・優良事例の全国展開を図る』

 

『データヘルス改革を推進し、被保険者番号の個人単位化とオンライン資格確認を導入するとともに、「保健医療データプラットフォーム」について、202年度の本格運用開始を目指し取り組む』

 

 

医療や健康に関する情報をデータとして管理するインフラが2020年度に向けて急速に整い、健保も企業も、データ管理に嫌が応にもデータ管理に取り組まなければならなくなると思います。せっかくデータ管理をするのだったら、社員の健康に、そしてその結果としての企業の業績向上につながるような、PHRを用いた攻めのデータ管理を実現することが望ましいと思います。

 

以上 日通システム