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女性の管理職比率を上げることはメリットが多い

POSTED : 2018.8.24

 

 

平成30年6月15日に閣議決定された

 

『経済財政運営と改革の基本方針2018』

第2章力強い経済成長の実現に向けた重点的な取り組み

1.人づくり革命の実現と拡大

(2)多様な人材の活躍

 

に、次の通り記載されています。

 

——

 

『女性活躍が多様性や付加価値を生み出す原動力となるとの認識の下、女性の労働参加の障壁を取り除き、一人ひとりの女性が自らの希望に応じてその能力を最大限に発揮できる社会への変革を促進・加速するため、「女性活躍加速のための重点方針2018」を着実に実施しながら、女性の活躍状況の「見える化」が徹底されるよう、女性活躍推進法の見直しも含め、必要な制度改正を検討する。ロールモデルの提示など女子生徒等に対する多様な情報提供により、理工系分野における女性活躍を促進する。社内外の女性役員候補者の育成に向けたセミナーを実施する。女性リーダーの育成に向けて多様な受講生に対応するため、広範な選択制プログラムの導入を可能とする大学等と共催した研修を実施する。女性が安心して働き続けられる環境を整えるため、多様な働き方に向けた環境整備、男性の育児・家事への参加促進、育児休業取得の円滑化、仕事と不妊治療の両立、妊娠・出産・育児に関する切れ目のない支援、様々なハラスメントの防止策等を総合的に推進する。』

 

(以上引用)

——

 

以下の図のように2011年時点で日本の管理職における女性の比率は欧米と比べて突出して低い状況にあります。

 

※いずれも2011年のデータ

(資料出所:「女性が輝く日本」の実現に向けて掲載内容を日通システムにて加工)

 

 

以下の図は、1時間あたりの労働生産性を比較したものです。ドイツを例外として、女性の管理職登用比率と1時間あたりの労働生産性はある程度、関連性があるように読み取ることもできます。

 

(資料出所:通商白書2013の掲載内容を日通システム加工)

 

 

少子高齢化、人手不足など、その他さまざまな背景からしても、女性が働きやすい環境を構築することが、これからの企業の成長、そして我が国の成長にとって重要なことは間違いありません。女性に安心して働いてもらうための環境を企業努力だけでなく、社会として構築していこうということが、冒頭で引用した骨太の方針2018の内容からもよく読み取ることができます。

 

一方で、この「女性活躍の推進」を男性目線でとらえてしまうと、本当に女性にとって働きやすい環境を構築することはできません。そもそも男性の身体と女性の身体は異なります。女性のことをきちんと理解することなく、「女性が働きやすい環境」を男性目線で構築したとしても、それが本当に「女性が働きたい環境」かどうか、分からないと思います。

 

例えば、女性特有の病気である乳がん、子宮頸がん、子宮内膜症、子宮筋腫といった病気について詳しい男性管理職の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

 

乳がんに関しては、1970年代と比べて患者数は3倍になっていると言われており、女性にとって大変重要な問題です。乳がんの検診について、意識している職場はどれくらいあるでしょうか?

 

子宮内膜症や子宮筋腫は環境ホルモンの影響があるといわれており、1日の多くの時間を過ごす職場の環境は重要です。女性だからこそ声に出して言いにくいこともあります。今の職場環境が、女性特有の病気に影響を与えているかどうかを判断できる男性管理職の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?

 

PMSのように症状が200以上あり、また年齢によって症状が異なる女性特有の症候群もあります。女性にとって誰もが迎えることになる更年期についても、症状は一人ひとり異なります。こういった症状に対しては、栄養面と運動面でのセルフケアが大切ですが、そういったセルフケアをサポートするために、上司含めた職場の同僚の理解が何よりも重要です。そこまでの教育が出来ている職場はどれくらいあるでしょうか?

 

もし管理職に女性の方が多ければ、こういったことを産業医まかせにするのではなく、自ら当事者として対処することができます。しかし男性目線で「女性のために」という考え方で取り組んでいる限りは難しいと思われます。

 

上記のようなことは、男性中心の職場では、多くの女性が誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまっていると思います。そういった状況で、100%のパフォーマンスを発揮することができるでしょうか?本来抱え込む必要のない問題を抱え込みながら仕事を続けなければならないことこそ、プレゼンティーズムの原因であると言えます。

 

管理職が女性であれば、たとえ男性中心の職場であっても、そこで働く少数派の女性は孤独感を感じなくてすむかも知れません。それだけでも女性管理職の存在は大きいと言えます。

 

もちろん、上記以外にも女性管理職のメリットはたくさんあります。男性は女性に褒められるとうれしいので、女性管理職は男性のパフォーマンスを上げる潜在的な力を持つと言われることもありますし、消費のけん引役は女性なので、女性管理職は市場の動向を的確につかんだ対応を行うことができるといわれることもあります。

 

いずれにしても、これからは男性目線の考え方ではなく、女性目線の考え方で「女性にとって働きやすい環境」を構築することが重要であると言えます。これからは男性も、そして女性自身も「女性の健康」について真剣に勉強をして、向き合っていくことが大事だと考えます。

 

以上 日通システム