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企業・健保の取組事例

ロート製薬の健康経営への取組み

POSTED : 2015.9.23

 

 

3.健康経営の内容

 

『オールウェル推進計画』で最初に取り組んだのが社員のための福利厚生施設”スマートキャンプ”である。 

残業が増えると料理を作る時間がなく、市販の弁当やお惣菜ですませてしまうこともある。

そこでまず体にいい薬膳の食事を食べてもらおうということで第二社員食堂のようなコンセプトですべて手作りの和を中心とした薬膳を食べてもらうための食堂をつくった。

その食堂は本社の敷地内につくったが、会社ではなく異空間にいるような雰囲気で体にいい食事タイムを楽しもうというコンセプトで社員の間で人気になった。

その後、東京社員からのリクエストもあって、2008年には東京支社の1階に同じ食堂(カフェ)を作ったが、東京のスマートキャンプは一般顧客にも「福利厚生のおすそわけ」として開放し、毎日昼になると10~20人の行列ができるようになっている。

また大阪のその食堂の2階にはリラクゼーションとしてマッサージ室をつくり、会社の疲れを家に持ち帰らないようにしましょうということで、食堂と同時にオープンした。   

2007年頃から、薬やスキンケアを提供するロート製薬の社員たるものは、自らも健康で肌つやも良くなければならないとして、トップの考え方で禁煙を推奨した。

まず禁煙を始めるにあたってニコチンパッドを会社が無償で喫煙者に配布、そして社屋からすべての喫煙スペースを排除した。

応接もすべて禁煙でお客様もロート製薬の敷地内では一切喫煙できないように協力してもらっている。  

2011年には、会長・社長・国内外出向者を含む総勢1,464名が参加するプロジェクト『健康増進100日プロジェクト』に取り組んだ。

疾患率が最も低いといわれているBMI値20-22の範囲にするという全員共通の個人目標を定めると同時に、チーム目標として各チームで設定した“+1(プラスワン)種目”を加えて点数を競わせることで楽しみながら健康になることを推進した。  

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100日くらいが適切だろうということで「100日」プロジェクトとした。

30日だとそこまで劇的に改善しないだろうし、30日で改善を目指そうとする人はハードに取組過ぎる可能性がある。逆に1年間ということになると長すぎるのでなかなかなじめない。

また団体戦にしたことで仲間同士励まし合いながら取り組み、「私だけは無理」ということができるだけなくなるようにした。

その結果、開始時はBMI20-22をクリアしていたのは全体の36%だったところ、100日後には42%がクリアした。

さらに開始時にBMI23以上だった社員に限定してみると、65%が-1ポイント以上BMI値を改善することに成功した。

 

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(資料出所:ロート製薬提供資料)

 

さらに+1(プラスワン)種目における腹囲部門では8割が腹囲1cm以上改善。

また、実は社長自身もかつては喫煙者だったがこのプロジェクトを機に禁煙に成功した。

 

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(資料出所:ロート製薬提供資料)

 

チーム制にしたことで社員が土曜日集まり一緒にウォーキングをしているといった姿も見られた。

100日プロジェクトが終わった後も引き続き継続して努力している人も多い。

100日継続するとある程度習慣になるという効果がみられる。

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(写真出所:ロート製薬提供資料)

 

2014年6月からはCHO(チーフヘルスオフィサー)を設置し、社内外における健康に関する取組の強化を目指している。

ほぼ同時に『健康企業・健康社員プロジェクトチーム』を発足させたが、そのプロジェクトチームの声掛けにより、社会貢献も兼ね備えたイベント「大阪グレートサンタラン」に社長以下120名の社員で参加した。

 

4.健康経営の効果と今後の取組

 

日常的に健康のための取組を行い、実際に健康になることで、当然の効果ではあるが工場での事故やけが人の発生は以前よりも目に見えて減っている。

そういった意味では生産性も上がっているし、製造中のトラブルも減っている。

健康経営への取組はロート製薬にとってプラスに作用していることは間違いない。

 

しかしロート製薬はこういった短期的な目的ではなく、「社員の健康寿命を延ばす」ということを健康経営の真の目的としている。

日本人の寿命はまだまだ伸びそうだが、寝たきり期間よりも健康な期間を伸ばしたい。

特に日本は他国に先駆けて高齢化社会を迎えており、日本の取組は世界でのモデルケースになる。

まずはロート製薬社内で健康になるための取組を行い、ロート社員の健康寿命を伸ばし、その成功事例を対外的に発信して日本人全体の健康寿命が延びればよいと思っている。

 

ロート製薬は製薬メーカーでありながらも、薬や病院なしで生きていけることが一番望ましいと公言する。

もちろん、生業としての薬や化粧品も将来像を描き、本業として新規開発を続けていくが、それらの本業にとらわれない、人々が健康になるための事業も模索していく。

 

特に今、注目しているのが食である。

日本の食材は世界に誇れる程、質がよく栄養価が高い。

ロート製薬が製薬メーカーとして培ってきた科学的なアプローチは食にも応用できるのでそういった分野でも新たな事業を通じて人々の健康に寄与していきたいと思っている。

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(写真出所:日通システム撮影)

すでに5年程前から季刊誌を発行し、季刊誌の中で薬膳レシピの紹介を行っているが大変評判が良い。こういった社内で培ったノウハウを今後とも積極的に対外発信していく予定である。

 

 

以上