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企業・健保の取組事例

フジクラの健康経営への取組み

POSTED : 2015.7.30

 

3.フジクラの取組の特徴

フジクラの健康経営は徹底して社員個人一人一人にフォーカスしている。どういうことかというと、「あなたには、こういったことが効果的だと思いますが、やってみますか?」という情報を、ITを用いた複数の将来予測エンジンから導かれるデータ分析に基づいて、フジクラの健康管理エージェントから、各社員に対して「個別に」情報提供を行っているのである。

驚くことにその分析結果には「個人の好み」といった要素まで含まれている。フジクラの本社では、各フロアに血圧計や体組成計を設置して希望者が好きな時に測定できるようになっているが、健康経営推進室では、その測定データを蓄積し、その蓄積された日々データと年に1回の健診結果から、各個人が生活習慣の改善が必要な場合、その人に適切な活動の候補を抽出し、最後に対象者個人の好みを勘案した上で、その対象者が最も行動につながりやすいと思われる情報を情報管理エージェントから提供しているのである。

情報提供の目的は心身の不調(活き活き度の低下)の予防である。しかし、まだ健康を害していない人に対して「今の生活習がよくないから、改善してください」という提案をしたとしても、「大きなお世話」だろう。そこで、個人の趣味嗜好を踏まえた提案を行うことで行動変容につながりやすくするとともに、情報提供に基づいて行動するか否かはあくまで個人の自由としている。

実際に、健康管理エージェントからの情報提供に応じて社員が直ちに生活習慣の改善を行うとは限らない。しかし、フジクラの健康経営推進室は、それでよいと言う。何等かのきっかけで、社員が改善しようと思い立った時に、何をすればよいか、インプットされていることが重要であるというのである。そういった考え方に基づいて、フジクラの健康経営推進室は、社員に対する健康管理エージェントからの提案を続けている。

フジクラの健康経営は、社員の健康をサポートする活動で、決して社員を手厚く保護する施策ではない。例えば、健康経営で守ってくれるから大丈夫だと社員が思って、暴飲暴食するならば逆効果である。会社が社員の健康を守ってくれると思った時点で社員は努力をしなくなる可能性がある。

あくまで、社員自らが、自発的に生活習慣を改善して健康になろうという意識を高める後押しを行うことが、健康経営であるという。

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(出所:フジクラホームページ)

4.健康経営の開始時の対応

実は、フジクラが健康経営を始める際、社員の一部から反対があった。しかし、フジクラの取り組みは希望者のみを参加対象とし、参加したい人には、健康データ等を会社に提供してもらう自由参加の方式にしている。その結果、開始当初の段階で社員の約6割が参加することになった。そして半年後には約9割が参加を希望し、今では96%の社員が参加している。

フジクラでは100%の参加を求めていないし、100%参加を目指すつもりもない。労働安全の話であれば法律上の義務なので100%を目指さなければならないだろうが、健康経営は法律で決められた活動ではない。96%の社員が健康経営推進室の提供するプログラムを使った活動に参加しているのならば、参加していない残りの4%の社員に支援が必要になったら、産業保健スタッフが手厚くサポートすればよい。

ITを使った取組に参加しない理由も人それぞれで、参加しないことも個人の自由であるからである。仮に健康上の問題で参加しないのならば、産業保健スタッフが医療専門職をして親身に対応した方が、その社員の健康のためには間違いなくプラスになるはずである。逆の言い方をすれば、96%の社員に対してITを活用してプログラム提供が出来ているが故に、4%の社員を重点的に産業保健スタッフが重点的にサポートことができるのである。

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