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企業・健保の取組事例

一人ひとりが経営意識をもって取り組む サンゲツ

POSTED : 2018.9.14

 

 

 

1.株式会社サンゲツについて

 

株式会社サンゲツ(以下「サンゲツ」)の歴史は、1849年(江戸時代/嘉永年間)に巻物、掛け軸、襖、屏風などをしつらえる初代表具師 日比弥助が山月堂を創業したところから始まる。1953年に株式会社山月堂商店を設立以来、社是「誠実」を一貫した企業姿勢で、日本のインテリアの発展とともに成長をしてきた。

 

2016年4月には「社是」「企業使命」「サンゲツ三則」と新ブランド理念”Joy of Design”を含めた企業理念を再構築した。住宅や商業施設、オフィス、医療介護施設などさまざまな空間でご利用いただくインテリア素材を通じ、新しい空間を創りだす方々に“デザインするよろこび”を届けるために取り組んでいる。

 

(資料出所:SANGETSU REPORT 2018

 

本社は愛知県名古屋市に所在しており、全国8拠点に支社(北海道、東北、東京、北関東、中部、関西、中国四国、九州)がある。8支社の傘下に北東北、福島、東関東、多摩、横浜、厚木、前橋、宇都宮、新潟、水戸、長野、岐阜、岡崎、北陸、静岡、浜松、京都、神戸、東大阪、南大阪、広島、四国、北九州、熊本、南九州、沖縄の支店・営業所があり、仙台、品川、名古屋、金沢、大阪、岡山、広島、福岡、沖縄にはショールームがある。

 

2016年に中国現地法人「山月堂(上海)装飾有限公司」を設立、同年米国Koroseal社を買収、2017年12月にはシンガポールに本社を置き東南アジア5か国に展開するGoodrich Global社を買収するなど国際展開も推進している。

 

 

2.サンゲツの健康経営への取り組み

 

サンゲツでは、人事担当取締役を最高健康責任者とし人事部「健康経営推進チーム」が事務局となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため各事業所の健康経営推進担当、産業医・保健師と連携して従業員の健康保持・推進活動を展開している。

 

主な取り組み内容は以下の通りである。

 

  1. 1. 社員の退館時間、パソコン電源自動OFF 時間の設定
  2. 2. 計画年休の取得促進
  3. 3. 社内外健康相談窓口の設置
  4. 4. 団体定期保険による自助努力部分上乗せ制度(総合保障制度)の利用促進
  5. 5. GLTD 保険の加入、休職時の自社所得補償制度
  6. 6. 35歳以上の付加健診実施と二次健診結果報告の義務化
  7. 7. インフルエンザ予防接種助成
  8. 8. フィットネス施設契約による健康増進
  9. 9. 全社員対象にしたストレスチェック実施
  10. 10. クラブ会活動への補助
  11. 11. 敷地内全面禁煙実施
  12. 12. 食堂ヘルシーメニューの提供・TABLE FOR TWO 活動への参加
  13. 13. EAPサービスの導入
  14. 14. 乳がん検診内容の拡充

 

(サンゲツホームページ(https://www.sangetsu.co.jp/csr/stakeholders/staff.html)より引用・抜粋)

 

 

サンゲツは2018年度健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されたホワイト500認定企業である。

 

 

3.サンゲツのダイバーシティ推進

 

サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進している。背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげる「ダイバーシティ・マネジメント」を経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいる。

 

また、男女に関わらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことのできる風土の実現を目指した自主行動計画の推進や、仕事や家庭の両立支援を行うワークライフバランスの推進にも取り組んでいる。

 

(サンゲツホームページ(https://www.sangetsu.co.jp/csr/divercity/policy.html)より引用・抜粋)

 

 

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サンゲツの健康経営の取り組み、働き方改革への取り組み、ダイバーシティ推進について、人事部の方々にインタビューさせていただきました。

 

————————

 

 

【日通システム】

 

本日はお時間をいただきありがとうございます。

 

健康経営の取り組みへのきっかけを教えていただけますか?

 

 

【サンゲツ】

 

2017年から新中期経営計画「PLG 2019」(2017-2019)がスタートしていますが「PLG2019」の5つの基本施策の一つとして「人的資源の強化」があり、プロ人材の育成/能力主義の徹底/ダイバーシティの推進/働き方改革/健康経営の推進、を掲げています。

 

健康経営については以前から情報収集を行い、取り組んでいましたが、「PLG2019」基本施策の1つとなることで、ホワイト500の認定取得を明確に意識しました。

 

(資料出所:SANGETSU REPORT 2017

 

 

【日通システム】

 

新中期経営計画に掲げられたことが、健康経営をより推進するきっかけになったということですね。

 

 

【サンゲツ】

 

すでに取り組んでいたこともありましたが、新中期経営計画をきっかけに健康経営の方針や健康経営の推進体制が定まったことの意味は大きいと思います。

 

本社には保健師が常駐して、全国8支社すべてに健康管理を担当する社員がいます。本社と各拠点と連携して組織的に社員の健康のサポートをしています。

 

 

【日通システム】

 

具体的にはどのような活動を行われていますか?

 

 

【サンゲツ】

 

例えば、定期健康診断での有所見者に対する二次健診の呼びかけなどは力を入れています。もともと、8支社すべて産業医と契約をしていたのですが、健康経営を組織的に推進するようになってからは、産業医・保健師のフォローのあと、担当者からも二次健診の呼びかけをしています。それでも二次健診を受けない場合は、対象者の上司も巻き込んで、状況を把握するようにしています。

 

また、50人以下の事業所も含めて、全社員をストレスチェックの受検対象とし、組織分析のフォローは会社が行い、個人のフォローは産業医、保健師と連携して行っています。

 

 

【日通システム】

 

健康経営への取り組みで社員の方の健康への意識は高まっているでしょうか?

 

 

【サンゲツ】

 

社員それぞれの健康への意識はまだまだ個人差が大きいと思います。ただし、新中期経営計画で「健康経営」が掲げられたことによって、社員の健康に対する意識が少しずつ変化していると思います。健康経営を推進するためには、より社内のコミュニケーションを活性化し、社員一人ひとりの健康意識を高めていくことが大切だと思います。

 

 

【日通システム】

 

貴社のように1200名を超える社員が全国各地にいる企業で、社内コミュニケーションの活性化、健康意識の向上を図ることは難しいのではないかと思いますが、どうやってそれを実現されているのですか?

 

 

【サンゲツ】

 

前中期経営計画「Next Stage Plan G」(2014-2016)では、4つの基本施策を掲げていましたが、その一つに「社員が経営を担う事業基盤の整備」というのがありました。トップダウンでは社員からなかなか声をあげる機会がないため、社員一人ひとりが経営の感覚をもって改革の主人公になるよう、様々な取り組みが実施されました。

 

(資料出所:SANGETSU REPORT 2017

 

その取り組みの一つとして、社長自ら全国の事業所を訪れて、社員との対話を行う「対話集会」があります。風通しの良い、組織を超えたコミュニケーションの場を持つことを大切にし、2017年度は2月から3月にかけて計40回の対話集会を開催しました。その司会進行は社員が自発的に行い、入社間もない若手社員が司会を務めることもありました。

 

対話集会はより社会に貢献するために目指すべき姿や、「健康経営」を含む中・長期的な課題について意見を交わし、全社横断的な意識共有と社員のモチベーション向上の場となっています。こういった場を通じて、参加している社員にとって当事者意識が高まります。

 

 

【日通システム】

 

貴社は働き方改革やダイバーシティの推進にも取り組まれていますが、そういったテーマも社員の主体的な取り組みで実現しているのですか?

 

 

【サンゲツ】

 

働き方改革では、フレックスタイム制度を2016年度にトライアル実施して、2017年に本導入をしました。この制度の導入のきっかけは2016年6月に女性9名で立ち上げた「働き方見直しワーキンググループ」の働きかけで実現したものです。社員の自発的な取り組みがボトムアップで会社の制度を変えた事例であると言えます。

 

この「働き方見直しワーキンググループ」の活動は継続していて、2017年度は全社から集まった11チーム38名の社員が参加しました。

 

 

【日通システム】

 

11チーム38名、全員、自発的な参加ですか?

 

 

【サンゲツ】

 

自薦他薦による参加です。同じ部署内でチームをつくる場合もあれば、部署をまたいでチームをつくる場合もあります。約半年間チームで活動して、その結果を12月に経営層に対してプレゼンを行ってもらいました。

 

残業削減の具体的施策から組織計画まで幅広い視点で、各チームから働き方見直しの提案がありました。35項目の提言があり、各担当部署でその実現性を検討していますが、社内インターン制度や社内公募制度などすでに実現しているものもあります。

 

 

【日通システム】

 

前中期経営計画に挙げられている「社員一人ひとりが経営の主人公」というのを本当に実践されているのですね。働き方改革や健康経営の推進にあたって、社員の方々の参画意識が高い理由がよく理解できました。

 

ところで、ホームページを拝見すると5期連続で売上が伸びています。仕事はハードなのではないでしょうか?

 

 

【サンゲツ】

 

夜8時にはパソコンが強制シャットダウンされるように設定されていますので、社員が工夫をして遅くとも8時までには仕事を終わらせるように取り組んでいます。胸をはって、働きやすい職場であると言える環境づくりに取り組んでいます。

 

 

【日通システム】

 

貴社はLGBT Friendlyをホームページで掲げられていますが、これはどういった制度でしょうか?

 

(出所:サンゲツホームページ)

 

 

【サンゲツ】

 

LGBT FriendlyはLGBTに対する理解や受け入れを進めようという活動です。当社グループも今ではグループ企業を含めると外国籍の方が3分の1近くを占めるようになり、ダイバーシティの推進が大きなテーマとなっている中で、LGBT Friendlyも大切であるとして活動を開始するようになりました。

 

具体的にはNPO法人の当事者の方から全社員に講演していただいて、社員の理解を深めてもらっています。LGBTに対する理解を深め、賛同、サポートする社員が自発的にAlly(虹色)のステッカーを貼ることを推奨しています。

 

ステッカーは食堂など社内の各所に置いてあり、自由に持っていって貼ることができるのでPCなどに貼っている社員がいます。草の根の活動ですが、当事者や支援者等にはサポーターであることが伝わり安心感に繋がります。

 

 

【日通システム】

 

制度や施策というよりも、社員一人ひとりの理解を促すメッセージのようなものなのですね。私はLGBT Friendlyについて考えるときに、「企業にとってのメリットは何か?」という考え方をしてしまいましたが、誰もが働きやすい環境をつくっていくために、一人ひとりが自発的に取り組む姿を目指されているのですね。

 

 

【サンゲツ】

 

Table For Twoにも参加していて、食堂で2品あるおかずを1品にすると、1品分が寄付に回るという仕組みを導入しています。本人にとっては健康を、アフリカの子供たちには栄養を、ということで取り組んでいます。もちろん参加するかしないかは社員の意識次第です。

 

 

【日通システム】

 

社員全員が、意識をもって取り組む健康経営と働き方改革。その背景に、社員一人ひとりに経営意識を持ってもらいたいというメッセージを感じました。

 

本日はありがとうございました。