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自治体・国保の取組事例

神奈川県横浜市 よこはま健康アクション Stage1

POSTED : 2015.8.26

1.横浜市の特徴

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横浜市は、基礎自治体として日本で最も多い、人口約372万人を抱える政令指定都市である。日米通商友好条約後開港された横浜港、我が国最初の日刊日本語新聞として創刊された横浜毎日新聞、1872年に新橋-横浜間で開通した日本初の官設鉄道、外国為替銀行として貿易決済を一手に担った横浜正金銀行など、日本の近代化と関連性が大きい歴史を持つ国際都市である。

横浜市は18区の行政区からなり、一つの区が一つの市町村と同じくらいの人口規模を持っている。例えば、一番人口の少ない西区でも10万人近く、最大の港北区に関しては34万人以上の人口となっている。また、そういった規模の大きいそれぞれの区が、貿易港がある国際色豊かな地域であったり、京浜工業地帯の一翼を担う工業地域であったり、または東京都心への通勤者の多いベッドタウンであったりなど、それぞれ異なる性格をもっている点も横浜市の一つの特徴である。

横浜市の総人口はこれまで増え続けてきているが、平成31年(2019年)にピークを迎えた後、減少に転ずると予想されている。一方で、65歳以上の人口はその後も増加し続け、平成37年(2025年)には約100万人が65歳以上になり、高齢化率は26.1%まで増加するという試算がある。さらに、2025年には後期高齢者が前期高齢者を逆転し、要介護率が10%以上になることも見込まれている。高齢化は横浜市にとっても大きな課題となっている。

2.横浜市の健康増進への取り組み

横浜市では健康増進法に基づく市町村健康増進計画として、平成13年9月に『健康横浜21』を策定、平成18年には計画の見直し・修正を行い、平成22年に一部増補、そして平成25年3月に、現在の『第2期健康横浜21』を策定した。

『第2期健康横浜21』では「10年間にわたり健康寿命を延ばします。」という基本目標を掲げている。もともと、横浜市の平成22年の健康寿命は男性70.98年、女性75.65年と、全国と比較しても男女ともに高い値となっていたが、横浜市長が再選をしたときに「健康寿命日本一を目指す」という公約を掲げたことから、さらに強力に推進することになった。

このような経緯を経て、「健康寿命日本一」への挑戦を推進するための具体的アクションプランとして、『よこはま健康アクション Stage1』が策定された。『よこはま健康アクション Stage1』の内容は以下図の通りである。

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図1. 『よこはま健康アクションStage1』(出所:横浜市健康福祉局保険事業課)

『よこはま健康アクションStage1』策定の際、「先進的な都市型の健康づくり」を目指して、データに基づく戦略的施策や大都市横浜の強みを活かした企業と協働した取組で、個人の生活習慣と社会環境の改善を行う視点で検討を行った。

3.健康経営への取り組み

「健康に関する市民意識調査」によると、生活習慣病の治療を受けている市民の比率が60代になると急に上昇していた。介護保険の利用者も50代後半から急激に増加していた。

せっかく仕事で一つ区切りをつけて、「これから第二の人生だ」という時に、介護が必要ということになると、本人にとっても辛く、また社会にとっても大きな損失になる。横浜市の20~59歳の人口の約8割が就労しており、「働く世代」の生活習慣の改善と生活習慣病の重症化予防を進めるには、積極的に従業員の健康増進に取り組む「健康経営」の概念を普及する必要がある。データを分析してみると、働き盛りの世代は、「運動ができていない」、「欠食率が高い」、「喫煙率が高い」といった結果が出ており、健康課題が多いこともわかった。

そこで、「Action6 健康経営企業応援事業」では、横浜市はこれまで積極的には進めてこなかった、働く世代の健康づくりについて取り組むことにした。東京大学特任助教政策ビジョン研究センター古井祐司先生にアドバイザーになっていただき、リーフレット「知って得する健康経営術」を作成・配布したり、研修会を開催して「健康経営」の概念を普及する取組を行っている。

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図2. 『知って得する健康経営術』( 出
所:横浜市健康福祉局保険事業課)

横浜市には約12万事業所あり、事業所数では中小企業が99%を占める。従業員の割合でも中小企業が7割を占めている。中小企業は従業員の高齢化が進んでおり、高齢になっても健康で仕事に従事できる人が増えることは、個人の幸せだけでなく、企業の活性化にもつながる。

平成25年12月に横浜市で1000社を対象に景況調査を行った際に健康経営の認知度についても調査したところ、実に4割以上の中小企業が「健康経営に取り組み意向がある」という回答になっていた。多くの企業がすでに健康経営への取り組み意向をもっている一方で、中小企業にとって健康に関する情報が足りないことが課題であると分かった。

そこで、メールマガジン「よこはま企業健康マガジン」を開始した。「よこはま企業健康マガジン」に登録すると、働く人向けの健康情報が月1回定期的に届き、研修案内や職場で活用できる健康教育の資料が配信される。

さらに「よこはま企業健康マガジン」や研修会等で得た情報を事業所内で共有し、自らの健康づくりや企業の健康づくりを推進する『よこはま企業健康推進員』を養成している。健康経営の取組は、全国健康保険協会、労働基準監督署、商工会議所とも協働して行っている。特に全国健康保険協会は中小企業が多く加入しているので、医療費、健康診断等のデータを使って業態別の分析を行い、今後、業態の特性に合わせた健康づくりの推進が図れるように役立てていきたいと考えている。

また、健康経営の取組に併せて、現在利用者12万人を超え、平成29年度までに30万人の登録を目指しているウォーキングポイントの対象者を横浜市在住者だけでなく在勤者向けにも拡大し、事業所単位の申し込みを受けている。横浜市は各行政区によって、工業地域や繁華街地域を抱える等性格が異なるので、健康経営の推進については画一的な施策ではなく、各区の特性にあった課題に沿って戦略的な取り組みをしていかなければならないと考えている。

4.今後の取り組み

企業が健康経営に取り組むことにより、従業員が元気になり、企業にとっても生産性があがる。そういった職場では、従業員は高齢になっても働き続けることができるし、優秀な人材の採用にもつながっていく。働き続けることで高齢になっても生きがいを持ち続けることができ、また働き続けることで社会貢献にもつながる。

健康経営が普及することは、地域・企業・従業員すべてにとってメリットになると考えている。「健康経営」に取り組む企業を表彰する等の仕組みも今後検討していきたい。「健康寿命日本一」を目指し、横浜市は、組織全体で、地域の関係者や企業とも一緒に取り組みながら、引き続き健康増進のための事業を推進していく。以上