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自治体・国保の取組事例

埼玉県 コバトン健康マイレージ

POSTED : 2017.8.30

 

 

1.埼玉県コバトン健康マイレージのきっかけ

 

 埼玉県の平均年齢は45.4歳(平成29年度1月)となっており、平均年齢としては全国平均よりも低いものの、2025年には一気に高齢化が進むことが予想されている。

 

(資料出所:埼玉県ホームページ)

 

 そこで埼玉県では、生活習慣病にならないための仕組みを構築するために、平成24年度から3年間、県内7つの市をモデル都市に指定して、健康寿命の延伸と医療費の抑制を目指し、健康長寿埼玉プロジェクトモデル事業を実施した。

 

(資料出所:埼玉県ホームページ)

 

 平成27年1月には、健康長寿埼玉プロジェクトでの成果を踏まえて、取組を全県に展開していくための「健康長寿埼玉モデル」を構築した。健康長寿埼玉モデルでは、先行モデル事業を通じて、医療費の抑制効果が実証された「推奨プログラム」、成果を出す秘訣をまとめた「成功の方程式」、費用補助やノウハウ提供と国保調整交付金の重点配分による「市町村を後押し」の3つで構成されたモデルを構築した。

 

(資料出所:埼玉県ホームページ)

 

(資料出所:埼玉県ホームページ)

 

(資料出所:埼玉県ホームページ)

 

 コバトン健康マイレージは、これらの事業を通じて、「歩く」ということが健康増進に寄与することが実証されたため、できるだけたくさんの方に外に出て歩いていただくことを目指して、平成29年度に誕生した。

 

 これまでの実証事業を通じて、「健康になりましょう」という働きかけをしても動いてくれるのはもともと健康意識の高い人達で、本来動いてもらいたい人達にはなかなか伝わらないという課題があった。そこで、埼玉県では、「健康づくりに取り組むきっかけがない方にも楽しみながら続けてもらえる仕組みにしたい」という想いで、幅広い世代にとって親しみやすく、ゲーム的な感覚で続けてもらえることを重視して、コバトン健康マイレージを立ち上げた。

 

(資料出所:埼玉県提供)

 

 

2.コバトン健康マイレージでの歩数の計測

 

 コバトン健康マイレージは、歩数を計測しながらウォーキングを楽しく続けてもらうことを目指している。歩数は、以下の3種類のいずれかの方法で計測してもらうことになる。

 

1)歩数計

 

シンプルで、操作のしやすいポケットインタイプ。

 

(写真出所:コバトン健康マイレージ ホームページ)

 

※歩数計について コバトン健康マイレージ ホームページのリンク

https://kobaton-mileage.jp/portal2/pedometer.html

 

2)ムーブバンド2

 

手首に装着して測定。生活防水にも対応。

(写真出所:コバトン健康マイレージ ホームページ)

 

※ ムーブバンド2について コバトン健康マイレージ ホームページのリンク

https://kobaton-mileage.jp/portal2/pedometer_mv.html

 

3)コバトン健康アプリ

スマートフォンに内蔵された歩数測定機能と連携して測定。

(写真出所:コバトン健康マイレージ ホームページ)

 

※ コバトン健康アプリについて コバトン健康マイレージ ホームページのリンク

https://kobaton-mileage.jp/portal2/pedometer_app.html

 

 スマートフォンでコバトン健康アプリをダウンロードすれば、スマートフォンのみでほぼすべて完結することができるが、そもそもスマートフォンを持っていないという方もいるし、スマートフォンを持っていたとしてもポケットに入れて常時持ち歩く方ばかりではない。3種類あれば、自分の生活スタイルにあった方式を採用していただけるのではないと考えた。

 

 歩数計やムーブバンド2を使用する場合でも住民には費用負担はない(※歩数計の送料494円が必要)。ただし、費用は実施主体である市町村・企業・保険組合等が負担することになるため、実施主体によってはスマートフォンだけであったり、歩数計は送付するが、ムーブバンド2はなかったりといったこともある。また、ムーブバンド2は平成29年度のみ申し込みを受け付けており、さらに実施主体によっては、数量限定ですでに受付を締め切っているところもある。

 

 

3.コバトン健康マイレージの仕組み

 

 コバトン健康マイレージは、先述した歩数の測定のほか、特定健診の受診などでポイントをためて、賞品が当たる仕組みである。埼玉県から付与されるポイントと、所属する実施主体から付与される独自ポイントの2つの種類がある。

 

 

(資料出所:埼玉県提供)

 

 埼玉県から付与されるポイントには、1日の歩数により獲得できる「歩数ポイント」、歩数を送信した際に、ガラガラポン!の抽選で獲得できる「送信ポイント」、月間で1万歩以上歩く日が20日以上ある方が月1回獲得できる「毎日1万歩達成ポイント」、所属するリーグによって獲得できるポイントが変わる「リーグポイント」と「リーグ順位ポイント」、10分以上継続して歩行した“しっかり歩数”を1日2000歩以上達成すると与えられる「しっかり歩数ポイント」(※ただし歩数計使用の場合に限る)、彩の国マップに写真を投稿して“イイね”がもらえると与えられる「イイね!ポイント」などがある。

 

※ポイントについてコバトン健康マイレージ ホームページのリンク

https://kobaton-mileage.jp/portal2/service.html#page1_3

 

 埼玉県から付与されるポイントがたまると、ポイント交換として抽選に参加することができ、県産農産物や企業協賛によって提供を受けた賞品が当たる。埼玉県では従来から健康づくりの分野で企業と連携した取り組みを行ってきたが、そういった企業がコバトン健康マイレージに賛同してくれて、立ち上げの当初から賞品提供という形で協賛してくれているところも特色の一つである。

 

(資料出所:埼玉県提供)

 

 歩数を送信するためには、歩数計の場合は県内各地に設置されているリーダーに歩数計をかざすだけで自動的に送信される。

(写真出所:コバトン健康マイレージ ホームページ)

 

 リーダーは歩数を送信するだけでなく、ゲーム感覚で楽しんでもらえる仕組みがあり、また他の利用者が投稿した写真にリーダーの画面上から“イイね”をすることもできる。リーダー端末は県内各地に設置されており、歩数計をもって外に出ていただくということも狙っている。

 

(写真出所:コバトン健康マイレージ ホームページ)

 

 スマートフォンアプリの場合はリーダーにかざさなくともアプリ上から送信することができる。

 

 歩数とは別に、所属する実施主体から付与されるポイントもある。ポイントの付与の仕組みや方法は各所属団体によって異なるが、健診の受診や運動教室等に参加することによってポイントが付与されたり、各実施主体が独自に用意している賞品が提供されるといったケースがある。

 

 

4.コバトン健康マイレージの実施主体

 

1)市町村

 

 今回、埼玉県が県主導でコバトン健康マイレージを構築したのは、できるだけ市町村間の格差なく、幅広い県民の方々に参加して欲しいと考えたためである。

 

 歩くことが健康によいということが健康長寿埼玉プロジェクトで実証できた。したがって、出来るだけ多くの方に、出来るだけ継続的に歩いていただくことが望ましく、また実際に歩いているかどうかを管理していくことも併せて重要である。もちろん紙ベースで管理することもできるが、紙ベースで行うと、参加者が増えれば増えるほど事務作業が増えることになる。手間をかけずに、行動変容を促し、実施状況を確認していく上ではシステムのメリットは大きい。しかし、埼玉県には63市町村あり、独自で様々な施策に取り組むことができる体力のある自治体もあるが、資金的にも人員的にも投資できない自治体もある。そこで、埼玉県が共通の基盤となるシステムの初期投資の部分を担い、実施主体である各市町村はそのランニングコストのみを負担する形にすれば、単独ではシステムへの投資ができない市町村でも運用ができるのではないかと考えた。

 

 市町村の中には、すでに独自のマイレージポイントの仕組みを導入し、運営しているところもあるが、そうした市町村が今の仕組みをやめてコバトン健康マイレージに切り替えることは現実的ではない。そういった市町村は、独自の制度とコバトン健康マイレージを併用して使うことも可能である。併用した場合、同じ歩数でも、市町村の仕組みと県の仕組みの両方に参加できるため、賞品獲得のチャンスが2倍になることになる。まだ実施主体となっている自治体の数は一部だが、埼玉県としては将来県内の63市町村すべてにコバトン健康マイレージの実施主体になってもらいたいと考えている。

 

2)企業

 

 企業も運営費用を負担することで、実施主体となることができる。県内に拠点を置く企業の場合、従業員も埼玉県民であることが多いため、埼玉県の取り組みと実施主体である企業の取り組みと連携して行うこともできる。埼玉県内に事業所を置く企業であれば、従業員の住所が埼玉県外であっても参加することは可能である。2017年7月現在、4事業者1万1300人と比較的規模の大きい企業が参加しているが、今後中小企業にも積極的にこの制度を活用してもらいたいと考えている。

 

3)保険者

 

 協会けんぽ埼玉支部もスマートフォンのアプリ限定で、コバトン健康マイレージの実施主体となっている。協会けんぽ埼玉支部の加入者約120万人が参加できることになった。埼玉県としては在勤者に対して直接呼びかけることは難しいが、協会けんぽからならば加入企業への呼びかけも可能であり、今後協会けんぽと連携して利用者を増やしていきたいと考えている。協会けんぽ以外にも、埼玉県職員・埼玉県警察・教職員などの共済組合も実施主体となっている。

 

保険者が中心となった健康づくりにコバトン健康マイレージが活用されることになれば、国の進めるコラボヘルスや地域・職域連携での健康経営の推進にも寄与できると考えている。

 

以上