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自治体・国保の取組事例

広がる”健康都市”づくりの背景

POSTED : 2015.8.11

2004年に健康都市連合日本支部が結成されて以降、健康都市は41都市まで増えた。2010年には会員都市の支援や連携をサポートする組織も設立された。健康に高い関心を寄せる自治体が増えている。

では、なぜ自治体に健康都市づくりが必要となったのか?そして、都市経営をしていたリーダーは何を感じ、どのように行動したのか?今回は、前市川市長(1997年-2009年)で、健康都市連合日本支部の立ち上げに携われ、現在はNGO健康都市活動支援機構理事長の千葉光行氏にインタビューをさせて頂いた。

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1.概要

NGO健康都市活動支援機構は、健康都市連合の活動エリアにおいて、健康都市活動を推進する都市や企業、大学と連携して人々の健康を維持・増進しやすい社会的環境づくりを構築・支援するNGO団体だ。

健康都市は、1800年代に欧州を中心とする都市で生まれた考えで、人口の集中によって生活環境が激変し、人々の健康に大きく影響するようなったことに遡る。それまでの健康は個人の責任によると考えられてきたが、個人の努力だけではどうにもならない要因が健康に影響するようになった。そこで、WHO(世界保健機関)は保健・医療と無縁であった活動領域の人々にも健康の問題に深く関わってもらい、都市住民の健康を確保するための仕組みを構築する取組を始めた。健康都市連合は、WHO西太平洋地域事務局の呼びかけで2003年に設立された。各都市の経験を活かして国際的な協働を通じて健康都市の発展のための知識や技術を開発するのが目的だ。2015年現在、日本からは41都市が加盟している。

2.健康都市の設立背景

健康都市の考えが生まれた背景は、都市化だ。データで見ると分かりやすい。図1より、2000年代に都市人口が地方人口を上回り、今後も都市人口は増加に一途を辿ると予想できる。

都市化率推移

図1.世界の都市と地方の人口推移(資料:国連『World Urbanization Prospects, 2014 REVISION』P7)

図2より、世界の都市人口のうちアジアは52%、つまり半分を占める。

地域別都市化率推移
図2.都市人口の地域別分布(資料:国連『World Urbanization Prospects, 2014 REVISION』P11)

図3より、アジアの都市化率(人口に占める都市人口の割合)は47.5%(2011年)で、今後も増加が予想される。参考に、欧州は73.4%、北米は81.5%だ。日本は1990年代に60%を超え、2005年で66%だ。先進国の中では低い方だ。しかし、下表からもわかるように、東京圏は世界一人口の大きい都市であり、今後もその地位を維持する。そこで起きる問題は無視できないだろう。

アジアの都市化率

図3.アジアの都市化率(資料:国連『World Urbanization Prospects, 2014 REVISION』P11)

 都市的地域  国 人口 [人] 面積[km2]
 1  東京・横浜  日本  37,843,000  8,547
 2  ジャカルタ  インドネシア  30,539,000  3,225
 3  デリー  インド  24,998,000  2,072
 4  マニア フィリピン  24,123,000  1,580
 5  ソウル・仁川  韓国  23,480,000  2,266

表1.Wendell Coxの試算による都市的地域の推定人口と面積(2014年)

 都市的集積地域  国  2025年人口[人]
 1  東京  日本  37,088,000
 2  デリー  インドネシア  28,568,000
 3  サンパウロ  ブラジル  21,651,000
 4  ムンバイ  インド  25,810,000
 5  メキシコシティ  メキシコ  20,713,000

表2.国連統計局による世界都市化予測(2010年)

都市化は、生活面では人口の増加、大気汚染、水質悪化、住宅の密集、交通渋滞、ごみ処理等の変化をもたらし、労働面ではワーキングマザーや夜間労働者等を生んだ。それによって都市の健康問題は複雑化した。そこでWHOは、公的機関の保健部門と企業やNGOなどの民間部門、地域住民が緊密に連携し、住民のためによい健康と生活の質の向上を促進する物的、社会的な環境を創造、維持することに責任をもつ取組みとして、「健康都市」を提唱した。

>>次へ 3.健康都市連合日本支部について