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ストレスチェック80項目をお薦めする7つの理由

POSTED : 2017.5.23

 

2015年12月から従業員50名以上のすべての事業場で義務となったストレスチェック。

 

多くの企業にとってストレスチェックは初めての経験となり、厚生労働省のマニュアルに従って職業性ストレス簡易調査票(57項目)で実施したケースが多いのではないかと思います。そして実際にストレスチェック実施までにかかる準備期間やストレスチェック実施後の医師面接等のフォローまで含めると当初想定した以上の時間を費やすことになったのはないでしょうか?

 

もちろん、投資には必ずリターンがあります。昨年実施したストレスチェックは、かけた手間、そして大事な社員のメンタル不調を未然に防止したいという思いの分だけ、いつか必ず、結果として現れます。ストレスチェックにお金も時間も費やしたのに、何も成果がなかったと思われている企業もあるかもしれませんが、効果は長期的に現れてきます。ぜひ焦らずに取り組み続けていただきたいと思います。

 

さて、昨年ストレスチェックを実施して、今年はさらにストレスチェックを充実したいという企業様に対してお薦めしているのが、新職業性ストレス簡易調査票(80項目)です。以下ストレスチェック80項目をお薦めする7つの理由をご説明いたします。

 

 

1.57項目から質問が23項目増えるだけなので受検者の負担が大きく増えるわけではないこと

 

ストレスチェック57項目を受験するためには、平均的に10分~15分の時間を要します。ストレスチェック80項目は質問項目が増える分だけ受検者の負担も増えることになりますが、一般的には15分~20分あれば十分すべての質問に回答することができます。80項目にすると、「受検者が嫌がるのではないか?」という懸念を持たれる方もいらっしゃると思いますが、もともと10分~15分の時間を費やしていたところ、5分~10分の時間が増えても受検者の方の抵抗感はあまり大きくないようです。

 

2.新職業性ストレス簡易調査票(80項目)の質問には職業性ストレス簡易調査票(57項目)の質問がすべて含まれていること

 

新職業性ストレス簡易調査票と職業性ストレス簡易調査票は全くことなるストレスチェックの調査票か?というと必ずしもそうとは言い切れません。新職業ストレス簡易調査票80項目の質問項目には、職業性ストレス簡易調査票の質問項目57項目がすべて含まれています。すなわち、新職業性ストレス簡易調査票でストレスチェックを受験すれば、新職業性ストレス簡易調査票に基づく帳票だけでなく、職業性ストレス簡易調査票に基づく帳票も結果として得ることができます。1度80項目で受検しておけば、新職業性ストレス簡易調査票と職業性ストレス簡易調査票のそれぞれのメリットを生かしたフィードバックを実施者から提供することが可能と言えます。

 

3.組織の課題を見つけやすいこと

 

職業性ストレス簡易調査票(57項目)は心身のストレス反応とストレッサー(ストレス要因)、そして緩衝要因(周囲のサポート)という3つの要素から個人のストレス状態を把握することに重点を置いています。一方で新職業性ストレス調査票(80項目)は、集団的分析によって組織レベルでの状態を把握することに重点を置いています。職業性ストレス簡易調査票受検によって得られる組織レベルの分析では、「仕事のストレス判定図」があります。仕事のストレス判定図からは、「職場の仕事量とコントロール」と「上司の支援と同僚の支援」という組織の状態を分析することができますが、80項目を受検すると仕事の負担だけでなく、作業レベル、部署レベル、事業場レベルでの分析ができます。組織の課題が仕事の量や質にあるのか、キャリア形成、人事評価にあるのか、仕事の分担の仕方にあるのか等、具体的に把握できればそれに応じた対策を講じることができます。

 

4.組織の良い点を把握することができること

 

新職業性ストレス簡易調査票では、個人のストレス状態以外に様々な組織レベルでの分析を行うことができるため、組織の課題だけでなく組織の強みを把握することもできます。例えば、新職業性ストレス簡易調査票の尺度である「上司の公正な態度」「ほめてもらえる職場」「失敗を認める職場」「経営層との信頼関係」「変化への対応」「個人の尊重」「公正な人事評価」などの平均点が高い職場については、ストレス要因があったとしても組織として対応ができる職場といえるかも知れません。それぞれの尺度によって平均が高い尺度もあれば低い尺度もあると思います。組織の課題だけでなく強みも把握して、組織の強みをさらに活かすというアプローチを講ずることができれば、メンタル不調を未然に防止でき、かつメンバー一人ひとりのパフォーマンスも向上するかも知れません。

 

5.ワーク・エンゲイジメントを測ることができること

 

新職業性ストレス簡易調査票(80項目)の尺度にはワーク・エンゲジメントも含まれています。メンバーが働きがいをもって日々業務に従事しているかどうかは、組織の生産性をはかるうえで大変重要な尺度と言えます。昨今、ES(Employee Satisfaction/従業員満足度)ということも言われるようになっていますが、メンバーがいきいきと働く職場は、コミュニケーションも活発でチームワークもよく、メンバー一人ひとりがストレスを抱えにくい職場になると思われます。またワーク・エンゲイジメントの高い職場は組織へのロイヤリティが高く、組織の向かう方向と構成員の向かう方向が一致しやすい職場になると思われます。自社または自部門のワーク・エンゲイジメントを把握できている組織は今、どれくらいあるでしょうか?もし、自社もしくは自部門のワーク・エンゲイジメントを図ってみたい場合は、ぜひストレスチェック80項目を採用してみていただきたいと思います。

 

6.セルフケアだけでなくラインケアにも役立てることができること

 

メンタル不調を未然に防止するためには、セルフケア、ラインケア、産業保健スタッフによるケアが大切です。職業性ストレス簡易調査票(57項目)を受検した方は、心身のストレス状態とストレス要因を把握して、ストレッサーをマネジメントするための方法を身に着けることができれば、メンタル耐性を高めることができるでしょう。新職業性ストレス簡易調査票(80項目)ならば、一歩進んで、さらに組織としてメンタル耐性のある労務環境を構築することができます。組織の課題、組織の強みを把握して、組織内あるいは組織の外のリソースも活用しながら、よりメンタル不調が起きにくい職場、そしてより高いパフォーマンスを実現できるための職場づくりを行うための、ラインケアを実施してみてはいかがでしょうか?

 

7.具体的なアクションにつなげるためのツールが提供されていること

 

新職業ストレス簡易調査票でストレスチェックを実施して、受検者へのフィードバックを行うとともに、組織の課題や強みも把握できた。でも、そこからはどうしよう?と思われる方もいらっしゃると思います。実際に課題を把握しただけでアクションに結びつかなければ何も改善されません。そんな方はぜひ、「職場環境等改善のためのヒント集」をご活用ください。組織の課題に応じて具体的にどのようなアクションを講ずると有効か、手引きが掲載されています。またそのためのアクションリストも提供されています。厚生労働省のホームページ「こころの耳」や東京大学大学院医学系研究科の運営する「健康いきいき職場づくりフォーラム」からリストを入手することができます。

 

 

以上、新職業性ストレス簡易調査票(80項目)をお薦めする7つの理由をご紹介させていただきました。80項目は新職業性ストレス簡易調査票の短縮版であり標準版は120項目あります。120項目で実施すればさらに詳細な分析ができますが、その分受検者の方の負担が増えることになります。まず80項目で実施してみて、受検率が下がらなければ来年、120項目で実施してみてはいかがでしょうか?

 

多くの企業がストレスチェック制度を有効活用し、メンタル不調が起こりにくく、かつ生産性の高い職場を実現されることを願っています。

 

以上

日通システム

牧野好和