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企業・健保の取組事例

喫煙社員ゼロの健康企業化のために

POSTED : 2018.3.14

 

 

「喫煙社員ゼロの健康企業化」に取り組まれている、健康経営応援合同会社の代表社員、荒島英明様にインタビューさせていただきました。

 

健康経営応援合同会社は、代表社員の荒島様が自治体職員を退職された後、設立された会社です。荒島英明様は地域に住み、地域で働いてこられたご経験から、地域のために働き続けたいという思いで、退職後当初はかき氷機や綿あめ機などを買い揃え、無料貸し出しをされていましたが、その後、喫煙問題への取り組みを開始されました。健康経営応援合同会社を設立し、「喫煙社員ゼロチャレンジ事務局」を務められています。「喫煙社員ゼロ」を目指して、現在は会社としての収益は度外視して、喫煙問題に関するセミナー等を支援されています。

 

元内閣府政策参与で、APEC(アジア太平洋経済協力)経済委員会議長も務められたこともある大守隆様が健康経営応援合同会社の顧問に就任されており、大守隆様の助言を受けながら、「喫煙ゼロの健康企業化」に向けて取り組みを続けられています。

 

【事務局:日通システム】

当初地域への貢献活動に取り組まれていたところ、「喫煙社員ゼロの健康企業化」への取り組みを開始されたきっかけがあるのですか?

 

【健康経営応援合同会社】

とくに何かきっかけがあったわけではありません。もともと私は、タバコの煙を吸うと頭痛・吐き気がおこるという症状に悩まされてきました。喫煙率が下がって欲しいと思っていて、そのために自分に何ができるか、昔からずっと考えていました。

 

【事務局:日通システム】

つまり、もともとタバコがお嫌いだったというのがきっかけなのですね。

 

【健康経営応援合同会社】

タバコが嫌いと言ってしまえばそれまでかも知れませんが、タバコの煙を吸うと気分が悪くなる人にとって、受動喫煙は本当に深刻な問題です。

 

ダバコを吸う人が、吸わない人に迷惑をかけているという問題ではなく、ニコチン依存症は一種の病気だと思っています。ニコチンが切れると脳はニコチン接種を強力に求めます。そのため、他人に迷惑をかけていることに気を配れなくなるし、タバコをやめることもできなくなります。

 

【事務局:日通システム】

病気だから、治るということですね。

 

【健康経営応援合同会社】

そう信じています。特に、喫煙者の多くが、働き世代のため、職場で吸うことができなくなれば、喫煙そのものを止める人も増えるだろうと思いました。また、喫煙も病気と同じように、治療の前の予防が重要と思いますが、職場で吸えないことが世間一般の常識になれば、その前の段階で学生などがタバコに手を出すことも減っていくのではないかと思いました。

 

【事務局:日通システム】

それで、「喫煙社員ゼロの健康企業化」なのですね。

 

【健康経営応援合同会社】

職場でタバコを吸う人に限り自由に休憩が取れるということは、冷静に考えれば普通ではないと思います。もし新入社員に、「タバコを吸う人は、好きな時に、喫煙所で吸ってください」「タバコを吸わない人は、職場から離れないでください」と告げたら、新入社員はどうするでしょうか?

 

もしかしたら、タバコを吸わない人も、タバコを吸うと言って、喫煙所にいっておしゃべりをするのではないでしょうか?そういった現状は、変えていかなければならないと思っています。

 

【事務局:日通システム】

でも、多くの企業が喫煙率の低下に取り組んでいるものの、「喫煙率ゼロ」まではなかなか実現できていません。喫煙社員ゼロは、本当に実現できるのでしょうか?

 

【健康経営応援合同会社】

すべての企業が達成できるとは思いませんが、実際にそれを決意して、成果を上げている企業があり、ホームページでも紹介させていただいています(http://o-tasuke.info/)。1000人以上の社員がいる上場企業でも全社員禁煙が実現しています。喫煙社員ゼロ達成の可能性はあります。

 

ただし、先にも言いました通り、喫煙は「ニコチン依存症」という疾病です。依存症には麻薬・覚せい剤・ギャンブル・アルコール・ニコチンなどいろいろありますが、そのどれも疾病率をゼロにするのはたやすくありません。法改正を契機に、喫煙室廃止、喫煙休憩禁止という施策が各企業でとられれば、喫煙者も依存症治療に真剣に取り組まざるを得なくなり、喫煙者ゼロ達成の可能性は高くなると思います。

 

【事務局:日通システム】

国の制度と、企業の施策と、本人の努力と、すべてが揃うことで、喫煙社員ゼロの可能性は高まるわけですね。

 

【健康経営応援合同会社】

幸い、2年後のオリンピック開催のために健康増進法が改正されて、事務所での受動喫煙対策が罰則付きの義務となりそうですので、これからは企業も真剣に取り組まざるを得ないと思います。喫煙室を設置しない、喫煙休憩を認めないことを選択する、あるいは選択せざるをなくなる企業も増えてくるものと期待しています。

 

しかし、一方的に「禁煙」を押し付けてもなかなかうまく行かないようです。喫煙社員とそれに同情する社員の抵抗があります。本人は依存症にかかっていますし、支援者は「迫害されている人を救おう」という使命感を持っているので、その抵抗は大きくなります。

 

そこで、たとえ遠回りとなったとしても、社員による組織を作って、その組織を通じて、抵抗している社員の理解と同意を得て、受動喫煙被害や一部の人だけの休憩特権をなくそうという、社員の側からの決意を作り上げていくことが必要なのではないかと思います。

 

【事務局:日通システム】

「喫煙社員ゼロ」の実現への道のりは決して簡単ではありませんね。そこまでして、「喫煙社員ゼロ」に取り組む企業は多いのですか?

 

【健康経営応援合同会社】

ニコチン依存症による作業劣化や業務中の喫煙休憩は生産性を10%位下げていると思います。喫煙休憩だけでも1日30~60分、1日8時間の中で6~12%の労働時間の減少です。

 

生産性を10%上げる施策があるのに、それを放置する企業があるでしょうか。ですから企業は「喫煙社員ゼロ」にもっと本気になるべきだと思います。もちろん他の従業員への迷惑も放置するべきでないことは言うまでもありません。

 

【事務局:日通システム】

たとえ生産性が上がるとしても、そのための投資や時間もかかるのではないでしょうか?

 

【健康経営応援合同会社】

投資について言えば、ニコチン依存症対策は費用対効果が格段に良いと思います。喫煙室を作らなくていいのでお金は掛かりません。喫煙室の清掃や電気代・スペース分の賃貸料など維持経費も掛かりません。つまり経費がほとんどかかりません。

 

喫煙休憩という生産性悪化要因もなくなり、他の社員への迷惑もなくなる、喫煙者・非喫煙者の見えない壁もなくなり一体感が生まれる、喫煙社員は年間16万円の実質増収になる、社員家族の受動喫煙もなくなると、良いことずくめではないでしょうか。

 

【事務局:日通システム】

まさに、健康経営の実践と、その効果としての生産性の向上ですね。

 

【健康経営応援合同会社】

日本の「健康経営」は経済産業省が主導していますが、経済産業省の「健康経営」推進には大まかに2つの目的があると感じています。

 

1つは「企業の健康投資により、従業員の活力や生産性の向上、組織の活性化をすすめ、業績向上・企業体質の強化を図る」ですし、もう一つは「健康」に関連した産業の育成・創生です。

 

あくまでも企業の業績向上と強化、産業の育成・創生という「経済」目線ですので、扱いが難しく、かつ新しい産業を生みそうもない「喫煙・ニコチン依存症対策」はあまり重視されていないのが実情で非常に残念に思っています。

 

「健康」への正しい投資が企業業績を向上させるなら、企業にとっても働く人にとっても良いことですので、そうしたいろいろな施策の費用対効果が、それぞれの対策ごとに非常に具体的に、そしてわかりやすい数字で示されると企業も取り組みやすいと思います。

 

企業様には、やれメンタルヘルス対策だ、やれメタボ対策だとせっつかれて、横並び感覚で導入することはせず、そのサービスの対価に見合う社員の満足や生活の質の向上・生産性の向上があるのか、正しい投資なのかを見極めていただきたいと思います。

 

私としては「ニコチン依存症による作業劣化・業務中の喫煙休み対策」というのが、最も費用の掛からない、かつ生産性向上に直結し、社員及び家族の幸福にもつながる健康経営で一番初めに取り組むべき施策だと思っています。

 

「ニコチン依存症対策」により成果を得て、その成果を原資にしてメンタルヘルスやメタボ等々にも広げる。健康経営はニコチン依存症対策から、という流れになると良いなと思っています。

 

【事務局:日通システム】

「喫煙社員ゼロ」達成のために、どれくらいの期間が必要でしょうか?

 

【健康経営応援合同会社】

うまく行けば1~2年で「喫煙社員ゼロ」が達成できるでしょうし、数年かかるケースもあると思います。経営トップや担当者の皆さん、推進組織のメンバーの方にはぜひ頑張っていただきたいと思います。

 

【事務局:日通システム】

最後に、今後の活動予定をお教えいただけますか?

 

【健康経営応援合同会社】

1つには、今回開催する喫煙社員を無くすための講演会などのイベントを定期的にやってゆきたいと思っています。ちなみに、今回の講演会は5月15日に新宿で開催です。今回開催する講演会で講師をしていただく鈴木さんも、喫煙社員がいない・生まないという社風が支持されて、今まで採用できなかったような優秀な社員を採用できるようになった、喫煙者・非喫煙者の壁がなくなり社員の一体感が高まったとおっしゃっています。喫煙社員ゼロは企業にとってメリットが大きいと思います。参加無料ですので、ぜひおいで下さい。詳しくは喫煙社員ゼロチャレンジ事務局のホームページでご覧いただければと思います。

 

もう一つは、商工会などの企業団体さんが受動喫煙防止のための研修会などを開催する時の講師料や会場費の原則全額補助金制度を作りましたので、利用してほしいと思っています。別件で「禁煙しようよ」という禁煙関係の情報を集めたホームページを作っています。よろしかったらご覧ください。

 

URLはhttp://izonn.net/です。

 

【事務局:日通システム】

本日はありがとうございました。