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企業・健保の取組事例

ハワイの日系IT企業Visual Systems

POSTED : 2016.6.7

 

Visual Systems, Inc. はハワイ州で設立された日系法人。

 

ハワイの地をビジネスフィールドとして業務用ネットワークシステム、イントラネット、Eコマースなどのシステム開発をはじめシステム関連機器やソフトウェアの販売・サポートにいたるまで、コンピューターシステムに関する総合的なサービスを提供しているハワイ最大の本格的な日系システム・インテグレーターである。

 

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(Visual Systemの本社はWaikikiの中心にあるWaikiki Business Plazaにある。)

 

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(Waikiki Business Plazaの15階にある本社からはワイキキが一望できる)

 

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(インタビューに応じてくださったVisual Systems CEOのHayashi氏)

 

1.Visual Systemsの創業

 

Visual Systemsは1994年にHayashi氏とハワイの旅行会社に勤めていた当時の共同経営者のKuratani氏によって設立された。

 

Hayashi氏が初めてハワイに来たのは36年前。Hayashi氏は、ハワイの大学でコンピュータサイエンスを学んでアメリカ西海岸のIT企業に就職し、その後ハワイのデータベース会社に勤めていた。

 

大きな転機が訪れたのは1994年。その当時、Hayashi氏の勤めていたデータベースの会社がインターネット上データのデータベース化を目指すマイクロソフトに買収された。

 

1994年といえばまだインターネットが出始めた頃で普及もしていなかった時代である。当時の通信手段の主流はFAX。

そこでHayashi氏はインターネットの可能性に注目することになる。Hayashi氏は「通信手段は将来確実にFAXからインターネットに変わる」と確信した。

 

そこで一念発起し、マイクロソフトを退社し、ハワイの旅行会社に勤めていた当時の共同経営者のKuratani氏と一緒にVisual Systemsを創業した。

 

Visual Systemsの目的は、インターネット上での画像データの通信。社名からもその由来は推測できる。しかし創業当初は資金がなく、まずは資金を蓄えるための手始めの目的としてハワイ旅行会社向けの基幹システムを始めた。

 

ところが、画像データの通信の方は技術的に確立する前に他社にノウハウを奪われてしまい、技術の確立を断念せざるをえなくなった。そこでHayashi氏は軌道修正を余儀なくされ、旅行会社向け基幹システムを事業の柱として確立していくようになる。

 

幸い、様々な旅行会社が声をかけてきてくれたので、事業は少しずつ軌道にのっていった。

 

最初はHayashi氏とKuratani氏の2名で、システム開発だけなくインターネットプロバイダ事業などを行いながら経営を成り立たせていたが、その後旅行会社だけでなく、日系のWedding会社からも声がかかるようになり、1年後には少しずつメンバーも増えていき、今の基幹システムのシステム・インテグレーターとしての地位を固めていくことができた。

 

今ではハワイにあるWedding会社、旅行会社の他にもハワイにある製造業にも基幹系システムを開発・提供するようになっている。製造業に関しては現地資本の企業も多い。またWedding会社の仕事に携わっていた関係上、オーストラリア・グアム・サイパン・ベトナム・中国の仕事も行ってきた。

 

2.ハワイで働く

 

従業員は日系アメリカ人と日本人。

 

これまでアメリカ系アメリカ人も雇用したことがあるが肌感覚が合わずにうまくいかなかった。仕事上言語はすべて英語で行っているが、チームで仕事をする上で日本人の感覚でお互いに仕事ができることが重要と考え、今では基本的に従業員は日系人のみとする方針である。

 

従業員の定着率は非常によい。ただしVisual Systemsの場合、最初から即戦力を雇用しており、入社後従業員を教育するようなことは行っていない。これはHayashi氏がマイクロソフトで働いていた経験が少なからず影響している。

 

マイクロソフトではサラリーマンとはいえ、何時から何時まで働けばいくらの賃金がもらえるということでは決してなかった。むしろ、定められたミーティングにのみ参加して、自分の仕事さえきちんと完結していれば、職場にいかなくとも何も問題とならない。

 

一方で、結果がでないと他のプログラマーの足を引っ張ることになり追い出される厳しい世界だった。マイクロソフトでは、チームとして働くならば全員が一人残らず結果を出せることが絶対条件で、チームメンバーの一人でも結果を出せなければ、チームとしての成果が出せない。チームメンバー同士信頼し会うのが、マイクロソストという会社で、チームで動く絶対条件だった。

 

Visual Systemsにしても同様である。プログラムをやりたくて入社したならば、徹底的にプログラムをやってもらう。できなければ辞めていただかなければ会社として成り立たなくなってしまう。

 

今は、プログラミング・ネットワーク関連・マニュアル・プレゼンなど役割分担して、チームとして一人一人が活躍してくれている。

 

IT企業だから必ずしてもプログラミングができる必要があるというわけではなく、チームメンバーとしてチームのために役割を果たすことができるならば、Visual Systemsにとってなくてはならない存在である。逆に中途半端なプログラム技術だけ身につけても、チームで動けなければ必要ないということになる。

 

そういう意味では、今の従業員は全員、会社の財産である。少数精鋭の方がプロジェクトは回る。全員優秀でも人数が増えるとエゴが発生する。少ないメンバーでたくさんのプロジェクトを回してくれる今のメンバーは誇りであり、今のメンバーでずっとやっていきたいと考えている。

 

また結果さえ出せば、大きな裁量が与えられる点もマイクロソフトをはじめとするアメリカのIT企業と同様である。

 

勤務時間は完全フレックス。朝サーフィンをしてから会社にくるメンバーもいれば、仕事をさっさと片付けて早い時間からサーフィンで出かけるメンバーもいる。ハイキングにでかけるメンバーもいれば、日本とやりとりするために昼夜逆転して働いているメンバーもいる。

 

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(自転車で通勤をする従業員もいる。)

 

ハワイという土地柄もあり、メンバーは職住近接。歩いて通っているメンバーも多い。従業員が仕事と生活のメリハリを自分でコントロールしているだけに、Hayashi氏は経営者としてメンバーの一体感を損なわないように意識している。例えば、少なくとも2ヶ月に1回は会社主催で食事会を開催している。IT企業のハードワークは日米共通だが、メンバーもこの食事会にはきちんと時間を作って参加してくれている。

 

「外に誇れるメンバーに恵まれた。」とHayashi氏は言う。

 

3. 今後の方針

 

ハワイに日系企業としての同業はないため、Visual Systemsはいわばナンバーワン・オンリーワンのポジションで仕事をすることができている。

 

実はハワイには日系企業の数は多い。50万ドル投資すると永住権がもらえるので、ハワイで会社をつくって永住権を取得するという人が多いのである。そういった企業はいずれもVisual Systemsの顧客となりうるため、今後もそういった企業一社一社と信頼関係を確立していくことがVisual Systemsにとって重要なことである。

 

また、最近増えてきている製造業系の顧客を増やしていきたいとも考えている。20人以下のものづくり企業はこれまでIT投資なしでも回ってきたが、これからはそうはいかなくなるのではないかと思う。20人以下のものづくり企業は大手のシステムメーカーの製品は高すぎて買えない。確かに、大手の基幹系システムは画一的で融通が利かないにもかかわらず、中小企業にとっては高い。

 

一方、Visual Systemsの製品はカスタマイズだが大手よりも安い。中小製造業向けの基幹システムがVisual Systemsにとって大きなビジネスチャンスになりうるのではないかと考えている。中小の起業家は、大手企業がシステム投資をしているのは知っているが、そもそも自社には関係ないと思っている。実は長期的に見るとシステムは安い。

 

そのことを一人一人で説明していくと中小企業の経営者は納得してシステムに投資してくれる。

 

製造業を狙っていく上では、Visual Systemsの顧客はハワイと関連ある企業だけが対象とは考えていない。アメリカ本土に行くと、実は価格ではなく、信用が一番大事である。アメリカの企業はオープンなので、となりの同規模の会社が導入すれば、うちも検討しようということになる。アメリカ本土には中小の製造業が多い。特に食品関係で従業員20人以下の規模の企業が非常に多い。

 

中小企業の未開拓のマーケットは大きい。例えば当初ハワイで旅行会社向けにシステムの提供を開始して時、旅行会社には、離れたところでも情報を共有したいというニーズがあった。そのニーズに応える上でITは最適なソリューションを提供することができた。このように、各業態・各企業が様々なニーズを持っていて、それぞれのニーズでITが解決できることは多い。

 

Visual Systemsはハワイ初の日系IT企業として、今後アメリカ本土にも事業領域を広げていく予定である。

 

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(Visual systemsの仕事風景。CEO以下全員が同じ部屋で仕事をしながらも、一人一人のスペースが尊重されている)

 

以上