企業・従業員・自治体・健保組合で取り組む健康経営 コミュニティ 健康経営.com

文字サイズ

標準

拡大

健康経営.com

bookinアイコン Twitterアイコン faceアイコン

企業・従業員・自治体・健保組合で取り組む 健康経営 コミュニティ

  • HOME >
  • 企業・健保の取組事例

企業・健保の取組事例

テルモの健康経営への取組み

POSTED : 2015.7.23

1.事業の概要

テルモ株式会社(以下「テルモ」)の歴史は1921年(大正10年)に「日本の細菌学の父」として知られる北里柴三郎博士をはじめとした医学者が発起人となって「赤線検温器株式会社」を設立したところから始まる。

TERUMO LOGO
(資料出所:テルモホームページ)

1955年(昭和30年)にはテルモ製の体温計は国内生産量の30%を占めてシェアNo.1となり、その後テルモは1963年(昭和38年)に国産初の使い切り注射筒を発売、1969年(昭和44年)に日本で初めて血液バックを発売するなど、創業以来医療分野におけるリーディングカンパニーとして、高品質な医療機器やサービスを安定的に供給してきた。1971年(昭和46年)4月には、今の「テルモメディカル社」の前身であるテルモアメリカ社を設立後、5月にはテルモヨーロッパ社をベルギーに設立し、海外事業展開を進めた。

現在、テルモ製品は全世界160ヶ国を超える地域で使用されており、売上高における海外構成比は60%を占めるに至っている。事業領域としては、心臓血管カンパニー、ホスピタルカンパニー、血液システムカンパニーの3つのカンパニーにおける合計9つの事業を軸として、医療現場に対して医療の質を向上させるための機器の提供を行っている。

graph
(資料出所:テルモホームページ)

テルモは、社員の健康管理を経営的な視点で考え、取り組んでいる企業として平成27年3月25日に経済産業省と東京証券取引所より『健康経営銘柄』に選定された。

2.健康経営とコラボヘルス

テルモのアソシエイト 及びアソシエイトの家族に対しては、もともとテルモ健康保険組合(以下「テルモ健保」)が制度面での充実を図ってきたが、健康産業に携わっているという使命感から、「経営においても積極的にアソシエイトの健康に取り組んでいくべき」であるとして、2014年度に経営トップが健康経営推進を社内外に発信、本格的な健康経営がスタートした。

テルモの健康経営では、テルモ健保と一緒になって取り組むコラボヘルスが重要な位置づけを占めており、テルモ健保の取り組みを経営として後押しする、或いは経営方針に基づき、健保が具現化するといった取り組みがベースとなっている。例えば、がん検診等の成人病検診の受診に関して、テルモ健保による補助制度を活用し、受診するよう会社からも積極的な呼びかけを行っている。各事業所の衛生管理室所属の看護師による粘り強い受診呼び掛けの結果、受診率は向上し、法定の定期健診の受診率100%はもちろん、任意のがん検診の受診率も70~80%近くに上っている。

また、禁煙についても積極的に推進、2014年度にはテルモ健保で最大20,000円の禁煙外来補助制度を導入、加えて会社の方でも産業医による社内禁煙外来を各事業所で実施する等のアプローチを行ったところ、複数の事業所で禁煙成功者が現れはじめた。2014年度1年間で禁煙外来補助、社内禁煙外来を活用し、20名以上が禁煙に成功したとみられる。

テルモでは、人事部長がテルモ健保の理事長も兼務している。そのことにより、人事部長は、一方では健保の立場で健保の運営面を管理しながら、人事部の立場ではアソシエイトの心と体のケアに対する啓蒙を行っている。

そもそも健保の運営費のほとんどが医療費である。アソシエイトの健康をサポートする制度にテルモ健保として多少の支出(投資)をしたとしても全体の医療費と比べると非常にわずかな金額であり、アソシエイトが健康になることで投資効果は十分に見込める。そういった状況を把握した上で、テルモでは人事部が中心となり、会社としても、テルモ健保の様々な取り組みへのアソシエイトの参加を呼び掛けている。コラボヘルスがうまく機能している事例と言えよう。

3.メッセージによる啓蒙

テルモでは、経営層から直接、アソシエイトの健康に関してのメッセージを発信している。例えば、社内イントラネット中に健康経営サイトを設け、経営トップメッセージ、医療の有識者からのコメント等、健康の大切さや健康経営への取り組みに関するメッセージを掲載している。さらに、新宅社長から、全アソシエイトに対してメールでメッセージを配信するということも行っている。

こういったメッセージを通じて、会社として本気で取り組んでいるという姿勢をアソシエイトに伝えることで、健康意識を高め、人事部や衛生管理室、テルモ健保が具体的な施策を行うにあたって、取り組みやすい環境をつくっている。

また海外グループ会社にも発信するために、経営者によるメッセージは英訳して英語版のイントラネットにも掲載している。会社と健保によるコラボヘルスは、あくまで日本の医療政策における国内のみの取り組みではあるが、健康を意識するというマインドにおいては、海外の拠点も同じ、健康で活き活きと働いてもらおうと考えているためである。

自らの健康を意識することは自社のビジネスである医療への理解を深めることに繋がり、アソシエイトが健康であることは健康産業においては重要なパフォーマンスであり、世界共通のブランドである。

健康への啓蒙方法は他の形でも効果を上げている。例えば、テルモでは、各事業所で夏休みにアソシエイトの家族向けの社内見学会を行っており、そのプログラムの一部として健康関連のセミナーなどを実施、健康意識を高めてもらうような取り組みを行っている。

その際、子供から両親に「タバコやめてね」といった手紙を書いてもらうような企画をしたところ、実際にこの手紙でタバコをやめたアソシエイトもいるそうだ。また、テルモ健保ではアソシエイトの扶養家族にも検診の補助を行っており、その案内に補助制度の概要、禁煙の啓発等の情報提供などを同封、特に禁煙については、家庭における家族のサポートも呼びかけている。

>>次へ 4.その他の様々な取り組み