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企業・健保の取組事例

ケイ・エス・オー/エル・スマイルの取組み

POSTED : 2015.8.7

エルスマイル

1.株式会社 ケイ・エス・オーの創業

 

株式会社ケイ・エス・オー(以下「KSO」)は1999年6月創業。健康食品、化粧品素材などの臨床試験受託を主たる事業としている。特に「特定保健用食品」(以下「トクホ」)のCRO(Contact Research Organization/受託臨床試験機関)としては国内で草分け的存在であり、KSOの主要顧客には誰でも知っている国内の主要な食品、アルコール、飲料メーカーがある。一般的な知名度は決して高くはないものの、トクホの業界では今や、KSOは誰もが知っている会社であり、なくてはならない会社である。

 

KSO小森社長はKSOの創業前、健康食品の会社に2年ほど勤めていた経験がある。1990年代の健康食品は、業界全体がいわば無秩序状態であった。高齢者が30万円の健康食品を購入させられて、問い合わせをしたら会社の実態が存在していなかったといった事件もたくさん起こっていて、メディアでも報道されていた。しかし、小森社長は健康食品の会社で企画に携わっていた当時から、健康食品に関する論文を多数読んでいたため、しっかりとしたやり方をすれば、健康食品は社会的にとても必要性が高く、成長が期待できると思っていた。そこで、健康食品の分野で臨床試験を確立する会社を立ち上げようと思い、大手医薬品メーカーでCROの豊富な経験を持つ当時の共同経営者と一緒にKSOを創業した。もともと小森社長は文系で大学も法学部出身である。臨床は非常に高い専門性が要求される分野であり、文系にとってはなおさらハードルの高い分野ではあるが、小森社長は健康食品の臨床試験分野は大きくなるに違いないと思い、必死になって勉強をして事業を立ち上げた。

 

一方、当時の共同創業者はインド企業と一緒に試薬の事業に注力した。ところがその試薬事業は残念ながらパートナーであるインド企業と考え方が合わなかったため、うまく軌道に乗らず断念することになる。そこからKSOはそれまでの臨床と試薬の二つの事業を行う会社ではなく臨床試験に特化した企業として、小森社長が引っ張っていくことになった。

小森

(KSO小森社長)

 

 

 

小森社長が単独でKSO経営のかじ取りを始める少し前、医薬の分野では、医薬品メーカーと医者の責任範囲があいまいだったということがその背景にあり、新GCP(Good Clinical Practice)基準に基づく厳格な管理も求められるようになっていた。それから間もなくして政府から、臨床分野においてメーカーのサポートをするCROと、医療機関のサポートをするSMO(Site Management Organization/治験施設支援機関)を明確に分けるようにという指令が出た。KSOはそれまで医薬部外品の臨床受託も行っていたが、その指令が出てからは、医薬部外品事業含めてCRO、SMOそれぞれの事業で事業採算を確立することは難しくなった。そこで、専門特化した方がよいと考え、食品・化粧品を事業の柱とする今のKSOの事業形態にたどり着くことになった。

 

 

2.トクホに注力することで大手顧客とのパイプを構築

 

 

KSOは健康食品の臨床受託事業を立ち上げるにあたって最初から大手食品企業に対象を絞って取り組みを始めた。トクホは消費者庁(当時は厚生労働省管轄)の認可制であり、大手食品企業は同等性試験もしっかりとしたプロトコールに従っており、SOP(Standard Operating Procedure)も確立している。また大手食品企業には製薬も行っているところが多く、こういった大手食品企業は健康食品の場合でも医薬品と同じ厳しい基準で管理している。大手食品企業と取り組むためには、こうした厳しい基準に対応しなければならないだろうと考えた。そこでKSOは、多くの企業が健康食品市場に関心を高める中、ホームページにあえて、最初から「トクホをやります」と明確に書いて、より厳しい基準を求める企業だけを対象に定めた。

 

とはいっても最初から大手顧客と取引ができたわけではない。必死になって勉強してノウハウを確立する日々が続いたが、最初の大手顧客と取引が始まった以降は続々と他の大手顧客との取引も拡大していった。そもそも当時は「トクホ」の臨床受託事業を行うと宣言する企業は非常に少なかったため、トクホの臨床試験受託先を探している会社は自ら「トクホをやります」と宣言しているKSOの名前を帝国データバンクの取引状況などから調べ上げ、名の通った大手顧客との取引結果が少しずつ業界内での知名度を高め、そのことが最大の信頼となってKSOの顧客はどんどん増えていった。加えて、臨床受託の業界では女性経営者が全くおらず珍しかったことも幸いしたようだ。

 

その後KSOはトクホの臨床の分野で確固たる地位を確立する。もちろん、常に順風満帆だったわけではなかった。『発掘あるある大事典』など健康食品に関する特集が問題となって番組が打ち切られる人気テレビ番組が出るなど、社会の目はこの業界の信憑性に非常に厳しく、また実際に中途半端な商品が出てきて消費者を惑わすこともあった。しかし消費者の厚い信頼に基づく高い人気を獲得するトクホ商品が生まれたこともあり、トクホは着実に広く認知されるようになり、それに伴いKSOの事業基盤も固まっていった。

 

業界ではしばしばKSOの名前が挙がることもある。その際に、評判が良ければ仕事は増えるし、評判が悪ければ仕事が減る。KSOはそういった業界で高い評価を得ることができるように、しっかりとした品質基準を確立しようと取り組んできた。そのことが、この業界の主要企業がKSOと安心して、長く取引するようになった最大の理由であると思われる。

 

最近では、顧客企業の社員が「トクホのことはKSOに教育してもらえと言われた」と言って、連絡してくることがある。もちろん、KSOとしてはそういったボランティアにも快く協力している。こういった教育もやっているから、KSOが困った時には顧客が助けてくれている。専門分野に対して一歳妥協せずに取り組んできたことが、こういった顧客との信頼関係につながっている。

 

 

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